学校との対話で絶対に避けたいNGワードと、心に響く伝え方のコツ【基本編】
先生が「困った...」と感じる保護者の口癖ワースト5
「今日も保護者対応で疲れました...」ある先生からこんな本音を聞いたことがあります。どんな言葉が先生を困らせ、どんな伝え方なら協力的な関係を築けるのでしょうか?
現場の先生方にアンケートを取った結果、最も困る保護者の「口癖」が見えてきました。
ワースト1位:「○○してくれないと困ります」
「個別指導してくれないと困ります」
「うちの子を褒めてくれないと困ります」
先生の反応:「命令されているように感じて、協力したい気持ちが失せてしまいます」
ワースト2位:「○○するのが当然でしょう」
「宿題の丸付けするのが当然でしょう」
「連絡帳に返事書くのが当然でしょう」
先生の反応:「努力を当然視されると、やる気がなくなります」
ワースト3位:「他の学校(クラス)では...」
「隣のクラスではもっと宿題が少ないです」
「前の学校では個別対応してくれました」
先生の反応:「比較されると、自分たちの努力を否定された気分になります」
ワースト4位:「税金払ってるんだから」
「公立なんだから無料でしょう」
「給料もらってるんだから当然」
先生の反応:「お金の話を持ち出されると、教育への情熱が冷めてしまいます」
ワースト5位:「うちの子に限って...」
「うちの子がそんなことするはずない」
「絶対に間違いです」
先生の反応:「事実確認を拒否されると、問題解決ができません」
先生が「この保護者さんとなら頑張れる」と思う魔法の言葉
逆に、先生方が「この保護者のためなら力になりたい」と感じる言葉もあります。
魔法の言葉1:「いつもありがとうございます」
具体的に何に感謝しているかを伝えると、さらに効果的です。
「昨日、子どもが『先生に褒められた』と嬉しそうに話していました。ありがとうございます」
魔法の言葉2:「大変だと思いますが...」
先生の大変さを理解していることを示します。
「30人のクラスで大変だと思いますが、何か家庭でお手伝いできることはありませんか?」
魔法の言葉3:「一緒に考えていただけませんか?」
対等な関係で解決策を求める姿勢を示します。
「子どもの集中力について、一緒に改善策を考えていただけませんか?」
魔法の言葉4:「他のお子さんもいる中で...」
全体への配慮があることを示します。
「他のお子さんもいる中で恐縮ですが、時間のある時に相談に乗っていただけますか?」
要望を確実に聞いてもらえる「PREP法」
要望を整理して伝える際に、ビジネスでも使われる「PREP法」が効果的です。
P(Point):結論・要望を最初に
「○○について相談があります」
R(Reason):理由・背景の説明
「というのも、家庭では△△という状況だからです」
E(Example):具体例・事実の提示
「例えば、昨日は□□ということがありました」
P(Point):再度結論・希望を伝える
「そこで、◇◇について教えていただけないでしょうか?」
実践例:「PREP法」を使った効果的な相談
相談内容:子どもの学習意欲について
【従来の相談方法】
「うちの子、最近やる気がなくて...宿題もやりたがらないし、勉強に集中できないみたいで...どうしたらいいんでしょうね...?」
【PREP法を使った相談】
P(結論):「子どもの学習意欲について相談があります」
R(理由):「最近、家庭学習への取り組みが消極的になってきているからです」
E(具体例):「例えば、以前は30分で終わっていた宿題に1時間かかるようになり、『勉強はつまらない』と言うことが増えました」
P(再結論):「学校での様子はいかがでしょうか?学習意欲を高める方法について、一緒に考えていただけませんか?」
この方法なら、先生も状況を把握しやすく、具体的なアドバイスをもらえます。
NGワード言い換え辞典
よく使ってしまいがちなNGワードを、効果的な表現に言い換えてみましょう。
宿題について
❌「宿題が多すぎます」
⭕「宿題の取り組み方について相談があります」
授業について
❌「授業が分からないみたいです」
⭕「理解度を深めるために、家庭でできることを教えてください」
友人関係について
❌「○○君とトラブルになっています」
⭕「友人関係で悩んでいるようです。学校での様子を教えてください」
先生との関係について
❌「先生との相性が悪いみたいです」
⭕「コミュニケーションの取り方について、アドバイスをください」
成績について
❌「成績が下がったのは教え方の問題では?」
⭕「成績向上のために、家庭学習を見直したいので、アドバイスをください」
連絡帳・メールでの「印象アップ」テクニック
文字でのやりとりは、誤解を生みやすいものです。以下のテクニックで、好印象を与えましょう。
冒頭の挨拶は具体的に
❌「いつもお世話になっております」
⭕「運動会の練習でお疲れの中、いつもありがとうございます」
感謝は過去の具体例で
❌「ありがとうございます」
⭕「昨日の算数でつまずいた際のフォロー、ありがとうございました」
相談は「質問形式」で
❌「○○してください」
⭕「○○についてはいかがでしょうか?」
締めは次回への配慮で
❌「よろしくお願いします」
⭕「お時間のある時にご回答いただければと思います」
「この保護者とは話しやすい」と思われる会話の始め方
対面での相談時、最初の30秒で印象が決まります。
効果的な導入パターン
・感謝から入る
「いつも○○でお世話になっております」
・先生への配慮を示す
「お忙しい中、お時間をいただいてありがとうございます」
・相談の概要を伝える
「今日は○○について相談があります」
・協力的な姿勢を示す
「一緒に考えていただけると助かります」
・実際の導入例
「田中先生、いつも息子がお世話になっております。運動会の練習で大変な時期にお時間をいただき、ありがとうございます。今日は家庭学習について相談があります。学校での様子もお聞きしながら、一緒に改善策を考えていただけると助かります」
明日への準備
今日学んだ「伝え方のコツ」で、学校との対話はかなりスムーズになるはずです。言葉の選び方一つで、相手の反応は大きく変わります。
明日は、さらに具体的なシーン別対応をお伝えします。「学習の相談」「友人関係の相談」「学校行事への要望」など、実際によくある場面での実践的な話法をご紹介します。今日学んだ基本を土台に、より具体的なスキルを身につけていきましょう。
今夜は、もし近々学校への相談を予定されているなら、今日の「NGワード言い換え辞典」や「PREP法」を使って、話す内容を整理してみてください。きっと、自信を持って相談できるはずです。
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