小5・6年生への効果的な声かけ
こんにちは、グレーゾーンの子向け学習塾「なないろ学習塾」です。今日は「反抗期の始まり?小5・6年生の心理的変化と対応する声かけ」についてお話しします。
反抗期の始まり?小5・6年生の心理的変化と対応する声かけ
小学校5・6年生になると、多くのお子さんは思春期の入り口に立ち、心理的な変化が現れ始めます。特にグレーゾーンのお子さまは、この変化に対する自己理解や対処が難しく、保護者の方も戸惑われることが多いのではないでしょうか。
小5・6年生で起こる心理的変化
●3・4年生との違い
3・4年生の時期は
大人の指示に素直に従うことが多い
自分の能力への自信がまだある
友達関係も比較的単純
5・6年生になると
大人の言うことへの疑問や反発が出てくる
自分と他者を比較し、自信が揺らぎやすくなる
友達関係が複雑化し、グループ意識が強まる
将来や自分の存在意義について考え始める
特にグレーゾーンのお子さまは、以下のような特有の困難を抱えることがあります:
感情調整の難しさ:感情の波が大きくなり、自分でも理由がわからず怒ったり悲しくなったりする
自己認識のギャップ:自分の特性と周囲の期待のズレに気づき始め、戸惑いや不安を感じる
社会的状況の複雑化:友人関係のルールが暗黙的になり、「空気を読む」ことの難しさに直面する
学習内容の高度化:学習内容が難しくなり、これまでの方法では対応できなくなる焦りを感じる
効果的な声かけのポイント
1. 感情を受け止める声かけ
この時期のお子さまは、自分でも理解できない感情の波に戸惑っています。まずは感情そのものを否定せずに受け止めることが大切です。
NG例:
「そんなことで怒らないの」
「いちいち落ち込まないで」
OK例:
「そんなふうに感じたんだね」
「イライラしているように見えるけど、何かあった?」
「話したくないなら、落ち着いてからでいいよ」
グレーゾーンのお子さまは自分の感情を言語化するのが特に難しいことがあります。感情カードや感情温度計などのツールを使って、自分の気持ちを表現できるよう手助けすると効果的です。
2. 自己肯定感を育む声かけ
この時期は自分と他者を比較し始め、自己肯定感が揺らぎやすい時期です。「できること」よりも「できないこと」に目が向きがちです。
NG例:
「〇〇さんはできているのに、なんでできないの?」
「もっと努力すれば、できるはずでしょ」
OK例:
「この部分は前よりうまくなったね」
「難しいことに挑戦する勇気がすごいね」
「失敗しても大丈夫、そこから学べることがあるよ」
特にグレーゾーンのお子さまには、具体的に何ができているのかを伝えることが重要です。「頑張ったね」という抽象的な褒め方より、「時間通りに起きられたね」「自分から宿題に取り組んだね」など具体的に認めることで、自分の成長を実感しやすくなります。
3. 自律性を尊重する声かけ
この時期は「自分で決めたい」という気持ちが強くなります。すべてを管理するのではなく、適切な範囲で選択や決定を任せることが大切です。
NG例:
「言われたとおりにしなさい」
「ダメなものはダメ」(理由の説明なし)
OK例:
「どうしたら良いと思う?」
「AとBのどちらがいいと思う?」
「ルールの理由を説明するね」(なぜそのルールが必要なのかを説明)
グレーゾーンのお子さまは、選択肢が多すぎると混乱することがあります。2〜3の選択肢から選ばせるといった工夫をしましょう。また、「いつまでに」「どのように」など具体的な条件を示すことで、安心して自分で決められるようになります。
4. 思考を促す声かけ
この時期は考える力を育てるチャンスです。答えをすぐに与えるのではなく、自分で考えるきっかけとなる問いかけをしましょう。
NG例:
「こうすればいいのよ」(すぐに答えを教える)
「それは違うでしょ」(間違いを否定するだけ)
OK例:
「どうしてそう考えたの?」
「他にはどんな方法があると思う?」
「もし〇〇だったら、どうなると思う?」
グレーゾーンのお子さまは、「どう考えていいかわからない」と思考停止してしまうことがあります。そんな時は、「まず何がわかっている?」「似たような問題はあった?」など、考えるための足場かけをしてあげると効果的です。
5. 将来を考える声かけ
高学年になると、将来について考え始めます。夢や目標を肯定的に捉え、現実とのバランスを取りながら支援しましょう。
NG例:
「そんな夢は無理」
「もっと現実的なことを考えなさい」
OK例:
「どんなところに興味があるの?」
「その夢に近づくために、今できることはあるかな?」
「得意なことを活かせる道はいろいろあるね」
グレーゾーンのお子さまには、自分の特性の強みと弱みを客観的に理解することが特に重要です。「〇〇が得意だね」「こういうことに興味があるんだね」と具体的に言語化してあげることで、自己理解を深める手助けになります。
実践例:学習の場面での声かけ
ケース:難しい問題にぶつかって諦めそうになる場面
これまで:(3・4年生向け)
「一緒にやってみよう」
「こうやるんだよ」(すぐに解き方を教える)
これから:(5・6年生向け)
「どこまでわかる?どこからわからなくなった?」
「似たような問題を前にやったことない?」
「ヒントがいる?それともまず自分で考えてみる?」
このように、完全に答えを教えるのではなく、自分で考えるためのサポートをする声かけに変えていくことで、お子さまの思考力と自信を育てることができます。
当塾での取り組み
当塾では、グレーゾーンのお子さまの心理的発達に合わせた声かけを大切にしています。
感情に寄り添いながらも、適切な行動を促す声かけ
「できた」経験を積み重ねる学習設計と励まし
自分で計画を立て、振り返る力を育てるサポート
得意分野や興味を尊重し、伸ばす指導
小5・6年生は、子どもから大人への過渡期です。この時期の心理的変化を理解し、適切な声かけで支えることが、お子さまの自立と成長につながります。反抗的な言動も、成長の一過程として温かく見守りながら、必要なサポートを続けていきましょう。
明日は「小5・6年生の塾活用法」についてお届けします。お楽しみに!
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