「SNSについて話そう」〜子どもが心を開く対話術と危険回避の教え方〜
「SNSについて子どもと話したいけれど、どう切り出せばいいかわからない...」
「話そうとすると『うるさい』って言われて終わり...」
そんなお悩みをお持ちの保護者の方、本当に多いんです。でも大丈夫。今日は、お子さんが身構えずに、むしろ積極的に話してくれるようになる対話術をお伝えします。
まずは親自身の「心の準備」から
「説教モード」のスイッチを切る
子どもとSNSについて話すとき、ついつい「教えてあげなきゃ」「正さなきゃ」という気持ちになってしまいませんか?でも、その気持ちが前面に出てしまうと、子どもは「また説教が始まった...」と心を閉ざしてしまいます。
大切なのは、「一緒に考えよう」という姿勢です。親が「先生」になるのではなく、「話し相手」になることから始めてみましょう。
自分のスマホ利用を振り返ってみる
子どもに制限を求める前に、まず自分のスマホ利用時間をチェックしてみてください。「子どもにばかり注意して、自分は好き放題」では説得力がありませんよね。
「お母さんも最近スマホ見すぎかも。一緒に見直してみない?」そんな風に言えたら、きっと子どもも素直に聞いてくれるはずです。
子どもを「被害者」扱いしない
「SNSに振り回される可哀想な子ども」という見方ではなく、「SNSを使いこなしている現代っ子」として、まずは子どもの能力を認めることが大切です。
「あなたはSNSに詳しいから、お母さんにも教えて」そんな風に頼られたら、子どもは嬉しくて色々話してくれるものです。
自然に始められる「会話のきっかけ」集
興味を示す系の導入
いきなり「SNSの時間を制限しましょう」と言うより、まずは関心を示すことから始めてみませんか?
「最近、面白い動画見つけた?お母さんにも見せて」
子どもが好きなコンテンツに興味を示すことで、「お母さんは自分の興味を否定しない」というメッセージが伝わります。
「TikTokって、どんな動画が人気なの?」
子どもの「得意分野」について質問することで、教える側・教わる側の関係が逆転します。
「友達とはどのアプリで連絡取ってるの?便利?」
批判的にならず、純粋に興味を示す質問です。
共感を示す系の導入
「お母さんもスマホ見すぎて、目が疲れちゃう。あなたはどう?」
共通の悩みとして話題にすることで、対立構造ではなく「同じ悩みを持つ仲間」として話し合えます。
「お母さんの時代はテレビばかり見てて、よく怒られたなあ。似てるのかな?」
自分の体験談を交えることで、「理解してくれる」と感じてもらえます。
深い話につなげる「質問の技術」
表面的な話から、徐々に大切な話題に移行していくコツがあります。
ステップ1:現状を把握する質問
「どんな人をフォローしてるの?面白い人いる?」
→ 子どもの興味関心や情報源を知ることができます
「SNSで新しく知ったこと、最近ある?」
→ SNSから得ている学びについて話してもらえます
ステップ2:体験を聞く質問
「SNSで嫌な思いをしたことはある?」
→ トラブル経験の有無を自然に確認できます
「SNSでよかったな、と思った体験はある?」
→ ポジティブな面も一緒に確認することで、バランスの取れた話し合いになります
ステップ3:考えを聞く質問
「個人情報って、どこまで出していいと思う?」
→ プライバシーに対する意識を確認し、一緒に考えられます
「もし炎上したらどうする?対処法考えたことある?」
→ リスク管理について、押し付けでなく一緒に考えられます
シーン別「対話の実例」
シーン1:知らない人からのメッセージについて
❌ こんな言い方は逆効果
「知らない人とは絶対つながっちゃダメ!ネットには危険な人ばかりいるのよ!」
⭕ 心を開いてもらえる言い方
「知らない人からメッセージが来たとき、どう判断してる?お母さんも時々迷うことがあるから、あなたの考え方を教えて」
なぜ効果的?
子どもの判断を頭ごなしに否定せず、まず聞くことで「尊重されている」と感じてもらえます。
シーン2:長時間利用について
❌ こんな言い方は逆効果
「また何時間もスマホ見て!勉強はどうするの!」
⭕ 心を開いてもらえる言い方
「最近、お母さんもスマホ見すぎてて反省してるの。時間管理、一緒に考えてみない?」
なぜ効果的?
自分の問題として一緒に考えることで、説教ではなく共同作業になります。
シーン3:不適切な投稿を見つけたとき
❌ こんな言い方は逆効果
「こんな投稿、すぐに削除しなさい!恥ずかしくないの?」
⭕ 心を開いてもらえる言い方
「この投稿、どう思う?5年後の自分が見たらどう感じるかな?」
なぜ効果的?
自分で考えて気づいてもらうことで、押し付けではない学びになります。
子どもに伝えたい「5つの安全ルール」
ルール1:投稿前の「魔法の3つの質問」
投稿する前に、必ず自分に問いかける習慣をつけてもらいましょう。
「これを見た人は、どんな気持ちになるかな?」
「5年後の自分が見て、恥ずかしくないかな?」
「個人が特定される情報は入ってないかな?」
この習慣があるだけで、多くのトラブルを防げます。
ルール2:情報の「裏取り」習慣
「本当かな?」と疑う癖をつける
・どこからの情報?
・他の情報源でも同じことを言ってる?
・感情的になりすぎてない?
「みんながシェアしているから正しい」とは限らないことを、具体例を交えて話し合ってみてください。
ルール3:「スルー力」を身につける
「全部に反応しなくていい」ことを教える
・嫌なコメントは無視していい
・炎上に巻き込まれそうなら逃げていい
・ブロック機能は「わがまま」じゃなく「自分を守る方法」
「無視するのは失礼」ではなく、「自分を大切にする方法」だと伝えてあげてください。
ルール4:「オフライン時間」の大切さ
SNSだけが世界じゃないことを実感してもらう
・家族との直接の会話
・友達と実際に会って遊ぶ時間
・自然に触れる時間
・「何もしない」ぼーっとする時間
これらの時間があることで、SNSとのバランスが取れるようになります。
ルール5:「相談できる関係」を維持
困ったときに話しやすい環境を作る
・「怒らずに聞く」約束をする
・子どもの話を最後まで聞く
・一緒に解決策を考える姿勢を示す
年齢別アプローチのポイント
小学生(10-12歳):基礎的な約束事を作る
・個人情報は絶対に教えない
・家族以外とのやり取りは必ず報告
・利用時間と場所を決める
・困ったらすぐに相談する
中学生(13-15歳):リスク管理を一緒に学ぶ
・いじめ・炎上の防止方法
・プライバシー設定の確認
・時間管理の方法
・定期的な振り返り時間を設ける
高校生(16-18歳):将来を見据えた利用
・就職・進学への影響を考える
・社会人としての責任ある発信
・自己管理能力の向上
・より対等なパートナーとして話し合う
今日から始められる「小さな一歩」
今夜、お子さんがSNSを見ているときに、こんな風に声をかけてみてください:
「何見てるの?面白そうだね」
批判的にならず、純粋に興味を示すことから始めてみましょう。
きっと、子どもの新しい一面が見えてきて、今までとは違った関係性が築けるはずです。
明日はいよいよ最終回。今日学んだ対話術を活かして、実際に家族でSNSルールを作る具体的な方法をお伝えします。
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