SNSのメリット・デメリット完全解説〜子どもと話す前に知っておきたい基礎知識〜

「SNSについて子どもと話したいけれど、感情的になってしまいそう...」そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

確かに、SNSの話題は親子でヒートアップしがちです。だからこそ今日は、一歩下がって冷静に、SNSの良い面・悪い面を整理してみましょう。客観的な情報があれば、きっと建設的な対話ができるはずです。


知っておきたいSNSの「5つの大きなメリット」

メリット1:学習機会の無限大化

「SNSばかりしていて勉強しない」と嘆く前に、実はSNSそのものが巨大な学習ツールになっていることをご存知ですか?

今の子どもたちは、学校の教科書では学べない「生きた知識」に、SNS経由で毎日触れています。TikTokで数学の解法を学び、YouTubeで英語の発音を練習し、Instagramで世界各国の文化に触れる...私たちの時代には考えられなかった学習環境です。

実際に、進路選択の際も大きな変化が起きています。「将来、パティシエになりたい」と思ったとき、昔なら本やテレビでしか情報を得られませんでした。でも今は、現役パティシエのリアルな仕事風景を動画で見て、失敗談も成功談も聞くことができます。

より具体的で、よりリアルな将来像を描けるようになっているのです。

メリット2:創作スキルの自然な習得

驚くべきデータがあります。高校生・大学生・短大生・専門学校生の約半数が、動画編集の経験があるのです。

SNSを「見るだけ」から始めた子どもたちが、「自分でも作ってみたい」と思い、動画編集、画像加工、文章作成などの技術を遊びながら習得しています。これらのスキルは、将来どんな仕事に就いても必ず役立つ能力です。

また、「バズる」体験を通じて、「どんなコンテンツが人の心をつかむのか」を肌感覚で学んでいます。これは立派なマーケティング感覚と言えるでしょう。

「うちの子、動画作りにハマってて...」それ、実は将来への投資かもしれませんよ。

メリット3:価値観の多様性に触れる機会

学校や地域だけでは、どうしても似たような価値観の人たちとしか出会えません。でもSNSは、地理的・社会的な境界を超えたつながりを可能にします。

不登校で悩んでいる子が、同じ境遇の人たちと出会って「自分だけじゃないんだ」と勇気をもらう。LGBTQについて悩んでいる子が、多様な生き方を知って希望を見つける。学校では教えてもらえない職業や働き方を知って、新しい夢を見つける...

SNSは、子どもたちの可能性を広げる窓の役割を果たしているのです。

メリット4:コミュニケーション能力の進化

「SNSばかりしていてコミュニケーション能力が下がる」そんな心配をされていませんか?実は、逆かもしれません。

SNSでのコミュニケーションを通じて、子どもたちは以下のような能力を自然に身につけています:

・簡潔に要点を伝える力:限られた文字数で相手に伝わりやすく書くスキル

・相手の立場を想像する力:「この投稿を見た人はどう思うかな?」と考える習慣

・グローバルな感覚:国や文化を超えた交流体験

これらは、将来の社会生活や仕事で必要不可欠な能力です。

メリット5:社会参加への入口としての機能

調査によると、SNSの話題がきっかけで実際に行動を起こした経験が、中学生66.5%、高校生61.4%もあります。

環境問題に関心を持ち、ボランティアに参加する。地域のイベントに足を運ぶ。新しい本を読む、新しい場所を訪れる...SNSが、子どもたちにとって社会とのつながりの入口になっているのです。

「家にこもってSNSばかり」と思いがちですが、実際には新しい世界に積極的に踏み出すきっかけを得ているのかもしれません。


見過ごしてはいけない「5つのリスク」

デメリット1:プライバシーの永続化リスク

「一度投稿したものは、完全に削除できない」

これは、SNSを使う上で最も重要な認識です。削除したつもりでも、誰かがスクリーンショットを撮っていたり、どこかに保存されていたりする可能性があります。

特に注意したいのは、位置情報の漏洩です。写真の背景から住所が特定されたり、瞳に映った景色から場所がわかったりすることもあります。一見無害に見える投稿でも、組み合わせると個人を特定できてしまう危険性があるのです。

デメリット2:誤情報に振り回されるリスク

「感動的な話」「衝撃的な事件」「都市伝説的な情報」...こうした内容は、真偽のほどがはっきりしなくても拡散されやすい傾向があります。

子どもたちは、情報の裏を取る習慣がまだ十分に身についていません。感情的に反応して、確認せずにシェアしてしまう危険性があります。知らないうちに、デマの拡散に加担してしまうかもしれないのです。

デメリット3:ネットいじめの深刻化

実際に子どもが経験したSNSトラブルで最も多いのは「ネット上のいじめ」で34.3%という結果があります。

従来のいじめと違い、SNSいじめは「24時間続く」「多くの人に見られる」「証拠として残る」という特徴があります。LINEのグループから突然外される、匿名で悪口を書き込まれる、恥ずかしい写真を勝手に投稿される...

また、文字だけのコミュニケーションでは、冗談のつもりが相手を傷つけてしまうことも多く、些細な誤解から大きなトラブルに発展することがあります。

デメリット4:承認欲求の暴走

「いいね」の数、フォロワーの数、コメントの内容...SNSには、承認欲求を刺激する要素がたくさんあります。

思春期の子どもたちは自己肯定感が不安定な時期です。SNSでの反応に一喜一憂し、「いいね」をもらうために危険な行為に走ったり、「映える」ために無理をしたりするケースも報告されています。

また、他の人と自分を比較して劣等感を抱いたり、ありのままの自分を受け入れられなくなったりする危険性もあります。

デメリット5:時間の見えない消費

SNSの「無限スクロール」の仕組みは、気づかないうちに長時間の利用を促します。「ちょっとだけ」と思って見始めたのに、気がついたら数時間経っていた...そんな経験、大人でもありますよね。

睡眠時間を削る、宿題をする時間がなくなる、家族との時間が減る、外で遊ぶ機会を失う...時間は有限です。SNSに時間を使いすぎることで、他の大切な体験の機会を失ってしまう可能性があります。


2025年に注目したい新しいトレンドとリスク

〇注目のトレンド

AI生成コンテンツの普及:誰でも簡単に、プロレベルの画像や動画を作成できるようになっています。創作の民主化が進んでいます。

バーチャル空間での交流:メタバースと呼ばれる仮想空間での交流が、特に若い世代で一般化しつつあります。

ライブ配信文化の拡大:リアルタイムでの交流を重視する傾向が強まっています。

〇新しいリスク

AI生成の偽情報:本物そっくりの偽画像・偽動画が簡単に作れるようになり、何が真実かの判断がより困難になっています。

投資詐欺の巧妙化:仮想通貨やNFTなどを悪用した詐欺が、若い世代をターゲットに増加しています。

課金システムの複雑化:ゲーム要素を取り入れた巧妙な課金システムが、子どもたちの判断力を鈍らせる危険性があります。

〇大切なのは「バランス感覚」

メリットもデメリットも、どちらも現実です。大切なのは、「完全に避ける」ことではなく、「リスクを最小限に抑えながら、メリットを最大限に活かす」ことです。

そのためには、子ども一人では難しい面もあります。私たち大人が適切なガイドとなり、一緒に考え、一緒に学んでいく姿勢が必要なのです。

明日は、いよいよ「子どもとの対話術」をお伝えします。今日整理した客観的な情報を基に、感情的にならずに建設的な話し合いができる方法を学んでいきましょう。


今夜、お子さんがSNSを見ているときに、「何見てるの?面白い?」と自然に声をかけてみてください。まずは関心を示すことから、対話の扉は開かれます。

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