「つい手を出してしまう」をやめる具体的な5つの方法
なぜ「やめよう」と思ってもやめられないのか
「過干渉はよくない」と頭ではわかっていても、実際に子どもが困っている場面を見ると、つい手を出してしまう。そんな経験はありませんか?
これは決して意志が弱いからではありません。過干渉は一種の「習慣」になっているからです。習慣を変えるには、意識的な取り組みが必要なのです。
方法1:「3つ数える」ルール
子どもが困っている場面を見た時、すぐに行動するのではなく、心の中で「1、2、3」と数えてから判断します。
具体的な手順
・子どもが困っている場面を発見
・心の中で「1、2、3」と数える
・「今、手を出すべきか?」を自問
・必要ない場合は、そのまま見守る
【実践例】
・宿題でわからない問題に悩んでいる子を見た時
・朝の支度が遅れている時
・友達関係で悩んでいる様子を見た時
たった3秒でも、冷静に判断する時間ができます。
方法2:「魔法の質問」を自分に投げかける
手を出したくなった時に、自分に問いかける質問を決めておきます。
効果的な質問例
「今助けることで、この子の成長の機会を奪っていないか?」
「私がいなくても、この子は解決できるか?」
「5年後、この子が一人暮らしをする時のことを考えたら?」
「今の私は、愛情表現をしているのか、不安解消をしているのか?」
これらの質問を自問することで、行動を一度立ち止まって考え直すことができます。
方法3:「見守りノート」をつける
子どもの自立した行動や、自分で解決した場面を記録する「見守りノート」を作りましょう。
【記録する内容】
・日付
・どんな場面だったか
・手を出したくなったが我慢した場面
・子どもが自分で解決した場面
・その結果どうなったか
【効果】
・子どもの成長を客観的に見ることができる
・見守ることの効果を実感できる
・過干渉したくなった時の振り返り材料になる
【記録例】
「2月15日:算数の宿題で30分悩んでいたが見守った。最終的に自分で解けて、とても嬉しそうだった。教えてしまわなくてよかった。」
方法4:子どもに宣言する
「今日から○○は君に任せるね」と子どもに宣言することで、自分自身にも制約をかけます。
【宣言の仕方】
・具体的に何を任せるかを明確にする
・理由も説明する(「君が成長するため」など)
・困った時の相談方法も伝える
【宣言例】
「今日から朝起きることは君に任せるね。中学生になったし、自分で時間管理ができるようになってほしいから。でも、どうしても起きられない時は遠慮なく言ってね。」
子どもに宣言することで、後戻りしにくくなり、約束を守ろうという気持ちも働きます。
方法5:「段階的撤退作戦」
一度にすべてを手放すのではなく、段階的に関与を減らしていく方法です。
例:宿題の管理
・第1段階(1週間)
今まで:一緒に宿題をチェック
変更後:宿題をやったかの確認のみ
・第2段階(1週間)
「宿題やった?」の声かけのみ
・第3段階(1週間)
声かけなし、でも気にはかける
・第4段階
完全に子どもに任せる
よくある「挫折ポイント」と対処法
挫折ポイント1:子どもが失敗した時
「やっぱり手を出せばよかった」と後悔してしまう
【対処法】
失敗は成長の糧。長期的な視点で考え、今回の失敗が将来の成功につながると信じる
挫折ポイント2:周りの親と比較してしまう
「あの家はもっと手厚くサポートしている」と不安になる
【対処法】
他の家庭と比較せず、自分の子どもの成長に焦点を当てる
挫折ポイント3:子どもから「なぜ助けてくれないの?」と言われた
【対処法】
「君なら自分でできると信じているから」と愛情を伝える
家族で取り組む「自立応援週間」
月に1回、家族で「自立応援週間」を設けることをお勧めします。
【やり方】
・家族会議で今月チャレンジすることを決める
・1週間、親は見守りに徹する
・週末に振り返りをする
・成功した点を褒め、改善点を一緒に考える
この取り組みにより、子どもも親も「自立」に向けて意識的に取り組むことができます。
明日は最終回。子どもの自立を本当に支援する関わり方について、具体的にお話しします。過干渉をやめるだけでなく、子どもがより良く成長するための積極的な関わり方を学んでいきましょう。
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