「見守る」と「放置」は違う〜適切な距離感を保つ3つの判断基準〜 多くの親が悩む「どこまで手を出すべきか」問題
「過干渉はダメだとわかったけれど、じゃあ何もしなくていいの?」
「子どもが困っているのを見ているだけでいいの?」
昨日のブログを読んだ保護者の方から、こんな質問をよくいただきます。確かに、過干渉と適切なサポートの境界線は、とても微妙で難しいものです。
「見守る」と「放置」の決定的な違い
まず大切なのは、「見守る」と「放置」は全く違うということです。
放置は、子どもに無関心で、何が起こっても知らんふりをすることです。
見守るは、子どもの様子をしっかり観察しながら、必要な時だけ適切なサポートを提供することです。
つまり、「見守る」にはたくさんの愛情と注意深い観察が必要なのです。
判断基準1:「生命・安全」に関わるかどうか
最優先すべきは、子どもの生命や安全です。
[ 即座に介入すべき場面]
・交通安全に関わること
・いじめや深刻な人間関係のトラブル
・健康に害を及ぼす可能性があること
・法に触れる可能性があること
例:小学生の通学路
・危険な道の歩き方をしている → 即座に教える
・慣れた道で少し寄り道している → 見守る
判断基準2:「発達段階」に適しているかどうか
子どもの年齢と発達段階を考慮することが重要です。
[年齢別の目安]
・小学校低学年(6-8歳)
基本的な生活習慣:一緒に確認
宿題:隣で見守る程度
忘れ物:一緒にチェック
・小学校高学年(9-12歳)
基本的な生活習慣:自主性に任せ、困った時だけサポート
宿題:声かけ程度
忘れ物:自己責任で経験させる
・中学生(13-15歳)
学習:完全に自主性に任せる
生活リズム:大枠のルールのみ
人間関係:相談されたときのみアドバイス
・高校生(16-18歳)
ほぼ全てを自己責任に
親は相談相手・サポート役に徹する
判断基準3:「子どもが成長する機会」になるかどうか
これが最も重要な判断基準です。
子どもの成長につながる場面では、たとえ失敗が予想されても見守る
具体例で考えてみましょう
・シーン1:宿題を忘れそうな子ども
❌ 過干渉:「宿題やったの?」と毎日確認
⭕ 適切:本人に任せ、忘れた時の自然な結果を経験させる
△ 放置:忘れても何も気にかけない
・シーン2:友達とのけんか
❌ 過干渉:親が友達の親に連絡して解決
⭕ 適切:子どもの話を聞き、解決方法を一緒に考える
△ 放置:「子ども同士のことだから」と全く関与しない
・シーン3:テストの成績が悪い
❌ 過干渉:勉強スケジュールを親が作って管理
⭕ 適切:なぜ成績が悪かったのか、子どもと一緒に振り返る
△ 放置:「勉強は本人の問題」と何も話し合わない
「待つ」ことの勇気
適切な距離感を保つために最も必要なのは、「待つ勇気」です。
子どもが困っているのを見ると、すぐに助けたくなります。でも、その「困っている時間」こそが、子どもが成長する貴重な時間なのです。
待つ時のポイント
・子どもの様子は注意深く観察する
・「いつでも相談に乗るよ」という姿勢を示す
・子どもから助けを求められたら、すぐに対応する
・危険な状況になる前に介入する
段階的に距離を置く方法
いきなり完全に手を離すのは、親にとっても子どもにとっても難しいものです。段階的に進めましょう。
ステップ1:予告する
「来週からは、宿題の確認は自分でやってもらうね」
ステップ2:一緒に確認する時間を短くする
毎日30分 → 週3回15分 → 週1回5分
ステップ3:完全に任せる
「困った時はいつでも相談して」とだけ伝える
ステップ4:振り返る
月1回程度、うまくいっているか確認
子どもからの「SOS」を見逃さないために
距離を置いても、子どもの「本当のSOS」は見逃してはいけません。
SOSのサイン
食欲がない、眠れないなど身体的変化
表情が暗い、笑わなくなるなど感情的変化
学校に行きたがらない、友達と会いたがらないなど行動的変化
これらのサインが見られたら、適切な距離感よりも子どもの心のケアを優先してください。
明日は、今日学んだ適切な距離感を実際に保つための、具体的な方法をお伝えします。
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