症状と上手につきあう生活の工夫 - 毎日を楽に過ごすための実践術

朝の起床を楽にする環境づくり

起立性調節障害の最も辛い症状の一つが、朝の起床困難です。でも、環境を工夫することで、少しでも楽に起きられるようになります。

寝室環境の整え方

・朝日が入るようにカーテンを少し開けておく

・室温を適切に保つ(18〜22度程度)

・加湿器で湿度を50〜60%に保つ

・目覚まし時計は枕元に複数個置く

・好きな音楽やラジオで起こしてもらう

段階的な起床方法

急に起き上がると症状が強くなるため、段階的に体を起こしていくことが大切です。

 第1段階:目が覚めても布団の中でしばらく横になる

 第2段階:ベッドに座った状態で2〜3分過ごす

 第3段階:立ち上がる前に軽く足首を動かす

 第4段階:ゆっくりと立ち上がる

朝の水分・塩分補給

起床直後に水分を摂取することで、血液量を増やし、症状を和らげることができます。

・枕元に経口補水液やスポーツドリンクを準備

・起床時にまずコップ1杯(200ml程度)の水分摂取

・朝食時にも意識して水分を摂取

・味噌汁やスープで塩分も一緒に摂取

朝食の工夫

・朝食を摂ることで血糖値が上がり、血圧も安定しやすくなります。

・食べやすいものから少しずつ

・パンよりもお米の方が血糖値が安定しやすい

・バナナやヨーグルトなど手軽なものでもOK

・水分の多い食材(お粥、スープなど)を活用

血圧を安定させる日常生活の工夫

起立性調節障害の根本的な原因である血圧調節機能の不安定さを改善するため、日常生活でできる工夫をご紹介します。

.・弾性ストッキングの活用

医療用の弾性ストッキングを着用することで、下半身の血液が心臓に戻りやすくなり、立ちくらみを予防できます。

・起床前にベッドで着用する

膝下タイプから始めて、慣れたら太ももまでのタイプに

締め付けが強すぎない適切なサイズを選ぶ

就寝時は外す

座り方・立ち上がり方の工夫

・椅子に座る時は足を組まない(血流を妨げるため)

・長時間同じ姿勢を避け、定期的に足首を動かす

・立ち上がる時は必ずゆっくりと

・立っている時は足踏みをして筋肉を動かす

入浴時の注意点

・湯温は38〜40度のぬるめに設定

・長湯は避け、10〜15分程度にする

・入浴前後に水分補給

・浴槽から出る時はゆっくりと

・シャワーだけでも十分な場合がある


症状が楽になる食事と水分補給のコツ

起立性調節障害の症状改善には、食事と水分補給がとても重要です。

1日の水分摂取目標

体重1kgあたり35〜40mlが目安

50kgの場合:1.5〜2L程度

一度にたくさん飲むのではなく、こまめに摂取

就寝前の水分摂取も忘れずに

効果的な水分の種類

・経口補水液(最も効果的)

・スポーツドリンク(糖分が気になる場合は薄める)

・麦茶(カフェインなしでミネラル補給)

・味噌汁、スープ(水分+塩分を同時摂取)

塩分摂取の工夫

通常の食事に加えて、1日3〜4gの塩分を追加摂取することが推奨されています。

・梅干し1個(約2g)

・塩昆布(適量)

・塩飴(運動時や外出時に便利)

・即席スープ(手軽で続けやすい)

避けた方が良い食事・飲み物

・カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶)

・アルコール(未成年は当然NG)

・極端に熱い食べ物・飲み物

・大量の糖分(急激な血糖値変化を避ける)


食事のタイミング

・朝食は必ず摂る(軽いものでもOK)

・夕食は就寝3時間前までに

・間食で血糖値を安定させる

体調の良い時間帯に栄養を意識した食事


無理をしない運動療法の取り入れ方

適度な運動は筋力を維持し、血液循環を改善するために重要ですが、無理は禁物です。

症状が軽い時に始める軽い運動

・足首の屈伸運動(ベッドの上でも可能)

・ふくらはぎのマッサージ

・軽いストレッチ

・座ったままでできる体操

段階的な運動の進め方

 第1段階:ベッド上での軽い運動(1〜2週間)

 第2段階:室内での歩行や軽いストレッチ(2〜4週間)

 第3段階:短時間の散歩やウォーキング(4〜8週間)

 第4段階:水泳や軽いスポーツ(体調が安定してから)

運動時の注意点

・症状が強い時は無理をしない

・運動前後の水分補給を忘れずに

・めまいや立ちくらみを感じたらすぐに休憩

・暑い時間帯や直射日光下での運動は避ける

・家族や友人と一緒に行うと続けやすい

おすすめの運動

・水中ウォーキング(水圧により血液循環が改善)

・ヨガやピラティス(ゆっくりとした動きで無理がない)

・室内での踏み台昇降

・軽いダンス(楽しみながら続けられる)


体調の波に合わせたスケジュール調整術

起立性調節障害の症状には波があります。その波に上手に合わせて生活することで、より快適に過ごせるようになります。

1日の体調変化パターンを把握する

多くの場合、以下のようなパターンがあります。

・朝(6〜10時):症状が最も強い

・午前中(10〜12時):少しずつ改善

・午後(12〜16時):比較的安定

・夕方〜夜(16〜22時):最も調子が良い

体調に合わせたスケジュール例

・朝:無理をしない、ゆっくり過ごす

・午前中:軽い活動、読書、趣味の時間

・午後:勉強、外出、友人との時間

・夕方〜夜:運動、家族との時間、翌日の準備

学習スケジュールの工夫

・集中力が高まる時間帯を見つけて勉強時間にする

・短時間集中型の学習方法を取り入れる

・体調が良い時にまとめて進める

・オンライン学習なども活用する

外出時の対策

・水分と塩分を持参する

・休憩できる場所を事前に確認

・無理なスケジュールは避ける

・体調が悪くなった時の連絡手段を確保

症状と上手につきあうことで、日常生活の質は大きく向上します。お子さんの体調パターンを把握し、無理のない範囲で工夫を続けていきましょう。

明日は最終回として、長期的なサポート体制の築き方についてお話しします。今日から、お子さんの体調に合わせた生活リズムを見直してみてください。

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