『やる気が出ない…』を変える!テスト勉強のスイッチを入れる5つの方法
「やる気」を待っていても始まらない~行動が先、やる気は後
「やる気が出たら勉強するって言うんですけど、全然やる気が出ないみたいで...」
保護者面談で、本当によく聞く悩みです。でも、ここで大切なことをお伝えします。
「やる気」は、待っていても出てきません。
これは脳科学でも証明されていることなのですが、人間の脳は「行動を始めることで、やる気が出る」ようにできているんです。
「やる気が出る→勉強する」ではなく、「勉強する→やる気が出る」が正しい順番。
塾でもよく生徒たちに言うのですが、「とりあえず教科書を開いてみる」「とりあえず机に座ってみる」。たったこれだけで、脳が「勉強モード」に切り替わり始めるんです。
実際にあった例をご紹介しましょう。
中学1年生のEさんは、「全然やる気が出ない」と言っていました。でも、お母さんが「じゃあ、とりあえず5分だけ一緒に漢字の勉強しない?」と誘ったところ、5分のつもりが30分も勉強していたそうです。
Eさん自身も「不思議だった。やり始めたら、なんか止まらなくなった」と言っていました。
これが「作業興奮」と呼ばれる現象です。始めることで、脳が勝手にやる気を作り出してくれるのです。
小さな成功体験を積み重ねる「10分勉強法」
「でも、うちの子は本当に勉強が嫌いで、5分も続かないんです...」
そんな時こそ、「10分勉強法」をお勧めします。
これは塾でも実践している方法で、多くの生徒が「これならできる!」と言ってくれる方法です。
10分勉強法のやり方:
1.タイマーを10分にセットする
2.その10分間だけ、一つの科目に集中する
3.10分経ったら終了(続けたくなっても一度区切る)
4.5分休憩
5.また10分勉強
なぜこれが効果的かというと、「10分で終われる」という安心感があるからです。
「1時間勉強しなさい」と言われると、子どもは「長い...」と感じて始める気になれません。でも「10分だけ」なら、「それくらいならやってみるか」と思えるのです。
そして、10分できた自分に「やればできるじゃん」という小さな自信が生まれます。この小さな成功体験の積み重ねが、大きな変化を生むのです。
実際の声:
中学3年生のFくん:「最初は10分も長く感じたけど、慣れてきたら『もうちょっとやりたい』って思うようになった。今は10分×6セット、1時間勉強できるようになりました」
親の声かけが変われば、子どものモチベーションも変わる
ここで、親御さんにとても大切なことをお伝えします。
お子さんのやる気は、親の言葉で大きく変わります。
NGな声かけ:
❌「いつまでゴロゴロしてるの?勉強しなさい!」
❌「テストまであと2週間しかないのよ」
❌「このままじゃ成績下がるわよ」
❌「○○さんの子は毎日3時間勉強してるんだって」
これらの言葉は、お子さんを動かすどころか、やる気を削いでしまいます。
効果的な声かけ:
⭕「今日は何の科目から始める?」
⭕「10分だけ一緒に勉強しない?お母さんも読書するから」
⭕「前回のテストより○点上げるには、どうしたらいいと思う?」
⭕「テスト勉強の計画、一緒に立ててみない?」
違いがわかりますか?
NGな声かけは「命令」や「プレッシャー」。
効果的な声かけは「提案」や「質問」。
子どもは命令されると反発したくなりますが、質問されると自分で考え始めるのです。
実際の会話例:
【変化前】
母:「いつまでスマホ見てるの!勉強しなさい!」
子:「今やろうと思ってたのに...」(やる気ダウン)
【変化後】
母:「そろそろテスト近いけど、いつから本格的に始める予定?」
子:「うーん、明日からかな」
母:「じゃあ、明日の計画を今日のうちに立てておく?」
子:「そうだね、それがいいかも」
同じ状況でも、声かけ次第でこんなに変わります。
「何から手をつけたらいいか分からない」を解消する計画の立て方
「勉強しなきゃいけないのは分かってる。でも、何から始めたらいいか分からない...」
実は、これが一番多い悩みです。
やる気がないのではなく、「何をすべきか分からない」から動けないだけなのです。
だから、計画を立てることが重要なんです。
簡単な計画の立て方(一緒にやってあげてください):
ステップ1:テスト範囲を科目別に書き出す
「数学は教科書p.50〜p.80」「英語はLesson4〜6」など
ステップ2:科目ごとに「やること」をリスト化
数学:ワークを2回解く、間違えた問題を復習
英語:単語を覚える、教科書本文を音読、ワークを解く
国語:漢字を覚える、本文の読解問題を解く
ステップ3:やることに優先順位をつける
A:絶対やる(基礎・苦手分野)
B:できればやる(応用問題)
C:時間があればやる(発展問題)
ステップ4:カレンダーに割り振る
テスト3週間前から、毎日何をやるか決めます。
重要なのは「全部詰め込まない」こと。余裕を持った計画にします。
計画表の例(中学2年生の場合):
テスト3週間前〜2週間前:Aを中心に基礎固め
テスト2週間前〜1週間前:Aを完成、Bに取り組む
テスト1週間前〜前日:総復習とCに挑戦
この計画を立てるとき、お子さん一人に任せるのではなく、一緒に考えてあげてください。「お母さん(お父さん)も応援してるよ」という姿勢が、何よりの励みになります。
ゲーム・スマホとの上手な付き合い方~禁止ではなく活用へ
「テスト前なのにゲームばかりで...」
この悩みも本当に多いです。でも、ここで大切なのは「禁止する」ことではありません。
ゲームやスマホを「ご褒美」として活用するのです。
人間は「我慢だけ」では続きません。楽しみがあるから頑張れるのです。
効果的な活用例:
パターン1:時間で区切る
「数学のワーク3ページ終わったら、30分ゲームOK」
パターン2:ポイント制
勉強10分=ゲーム5分のポイント
貯めたポイントで好きな時にゲームできる
パターン3:週末ご褒美制
平日は勉強優先、週末は自由時間を多めに
パターン4:一緒に楽しむ
「テスト終わったら、一緒に新しいゲームやろう!」
という楽しみを作る
大切なのは、お子さんと話し合って「納得できるルール」を作ることです。
実際、塾生のGさんの家庭では、こんなルールを作りました:
「平日は勉強2時間終わったら、ゲーム1時間OK。ただし、10時以降はスマホを親に預ける」
このルールを決めてから、Gさんは自分から進んで勉強するようになったそうです。なぜなら「ゲームするために勉強する」という動機ができたから。
動機が何であれ、勉強を始めることが大切。そして勉強していくうちに、「分かる楽しさ」や「できる喜び」に気づいていくものです。
明日は、具体的な勉強法をお伝えします。ノートの取り方、暗記の仕方、問題集の使い方など、すぐに実践できる方法をご紹介しますので、お楽しみに!
今日は、お子さんと一緒に「10分勉強法」を試してみてください。そして「テスト勉強の計画」を一緒に立ててみましょう。
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