『うちの子、高校に行けるの?』不登校中3の親が抱える不安と希望
中学3年生の不登校、実は珍しくない現実
「うちの子、もう半年以上学校に行けていないんです。高校進学、どうしたらいいでしょうか...」
塾とフリースクールを運営して15年、この時期になると特に多くいただくご相談です。中学3年生で不登校というと、親御さんは「もう手遅れかもしれない」と思いがちですが、実はそんなことはありません。
文部科学省の調査によると、中学生の不登校は約20人に1人。つまり、1クラスに1〜2人はいる計算です。そして、不登校だった子どもたちの多くが、自分に合った高校に進学し、充実した高校生活を送っています。
大切なのは、「学校に行けていない」という事実ではなく、「これからどう進むか」という未来に目を向けることです。
「学校に行けない」≠「将来がない」という事実
「学校に行けない子に、将来なんてあるんでしょうか...」
そんな風に思い詰めている保護者の方に、まずお伝えしたいことがあります。
学校に行けないことと、将来の可能性は全く別の問題です。
実際、私が見てきた不登校だった子どもたちの中には、通信制高校から難関大学に進学した子、高校卒業後に自分のやりたい仕事に就いた子、起業した子もいます。
学校という「場所」に行けなかっただけで、学ぶ力、成長する力、夢を持つ力は失われていません。むしろ、不登校という経験を通じて、自分自身と向き合う時間を持てたことが、その後の人生に活きているケースも多いのです。
進路選択の前に確認したい3つのこと
高校進学を考える前に、まず確認しておきたいことが3つあります。
①お子さんの今の状態
・心身の健康状態はどうか
・何に興味や関心があるか
・どんなことなら取り組めそうか
焦って進路を決める前に、お子さんが今、何を感じ、何を必要としているかを理解することが最優先です。
②利用できる支援やサービス
・在籍中学校のサポート体制
・地域の教育相談センター
・フリースクールや学習支援機関
・医療機関やカウンセリング
一人で抱え込まず、使える支援は積極的に活用しましょう。
③家庭の状況と希望
・経済的な条件
・通学可能な範囲
・親として大切にしたいこと
子どもの希望と親の希望のすり合わせ
現実的な条件を整理することで、選択肢が明確になります。
今、親ができる最も大切なこと
不登校の中3のお子さんを持つ親として、今できる最も大切なことは何でしょうか。
それは、「あなたの味方だよ」というメッセージを伝え続けることです。
学校に行けないことで、お子さん自身が一番苦しんでいます。「自分はダメな人間だ」「親に申し訳ない」「将来が不安」...そんな気持ちでいっぱいかもしれません。
そんな時、親が焦りや不安をぶつけてしまうと、子どもはさらに追い詰められてしまいます。
「学校に行けなくても、あなたは大切な存在」
「一緒に考えていこう」
「どんな道を選んでも応援するよ」
そんなメッセージが、お子さんの心の支えになります。
焦らず、でも動き出す - 適切なタイミングとは
「でも、高校入試まで時間がないんです!」
そう思う気持ちもよくわかります。でも、焦りは禁物です。
適切なタイミングとは、お子さんが少しでも前を向けるようになった時です。
無理に情報を押し付けたり、見学を強要したりするのではなく、「こんな選択肢もあるんだって」「見てみる?」と、さりげなく情報を共有することから始めましょう。
ただし、何もしないで待つだけでは時間は過ぎてしまいます。親ができることは、情報収集を進めておくこと、相談できる場所とつながっておくこと、そして家庭で学習習慣を少しずつ整えていくことです。
明日は、「学習習慣」について詳しくお話しします。「学校に行けていないのに、勉強なんて...」と思うかもしれませんが、実はこれが高校進学の大きな鍵になるのです。
今日は、お子さんに「最近どう?」と、さりげなく声をかけてみてください。返事が短くても、それでいいんです。対話のきっかけを作ることが、第一歩になります。
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