学校に行けなくても大丈夫。今からでも間に合う学習習慣の作り方

なぜ「学習習慣」が高校進学の鍵になるのか

「学校にも行けていないのに、勉強なんてとてもじゃないけど...」

そう思われる保護者の方は多いです。でも、実は「学習習慣」こそが、高校進学を成功させる最大の鍵なのです。

なぜでしょうか？

高校、特に通信制高校では、自分で学習を進める力が求められます。先生が毎日教えてくれる環境とは違い、自分で計画を立て、自分で勉強し、レポートを提出する...という自己管理が必要になります。

また、入試の面接では「これからどう学んでいきたいか」を問われることも多く、少しでも学習に取り組んでいる姿勢があれば、それが大きなアピールポイントになります。

さらに、高校入学後のことを考えても、学習習慣があるかないかで、スタートラインが大きく変わってくるのです。

不登校でも学習習慣を維持している子の共通点

15年間、多くの不登校のお子さんを見てきて気づいたことがあります。

不登校でも学習習慣を維持できている子には、こんな共通点があるのです。

①完璧を求めていない

「毎日3時間勉強する」ではなく、「今日は15分だけでもやってみる」という柔軟さがあります。

②好きな教科や興味のあることから始めている

苦手な数学を無理にやるのではなく、好きな歴史や理科から始めるなど、取り組みやすいところから入っています。

③小さな達成感を大切にしている

「1ページできた」「問題が解けた」という小さな成功体験を積み重ねています。

④時間帯が固定されている

「朝の10時から」「夜ご飯の前の30分」など、決まった時間に取り組むことで、習慣化しています。

⑤誰かと一緒に取り組んでいる

親が隣にいる、オンラインで先生とつながる、など、一人ぼっちではない環境があります。

1日15分から始める、無理のない学習リズム

「でも、うちの子は全く勉強していないんです...」

大丈夫です。今からでも遅くありません。まずは1日15分から始めましょう。

ステップ1：好きな時間帯を見つける（1週間）

お子さんが一番リラックスしている時間帯を観察してください。朝起きてすぐ？お昼ご飯の後？夜のリラックスタイム？

ステップ2：好きな教科・得意な教科を選ぶ

「何から始める？」とお子さんに選んでもらいましょう。興味のある分野や、比較的得意だった教科からスタートすると続けやすくなります。

ステップ3：15分のタイマーをセット

「15分だけやってみよう」とタイマーをセットします。15分なら「できそう」と思えますよね。

ステップ4：できたことを認める

15分取り組めたら、「よく頑張ったね」「続けられてるね」と声をかけます。結果ではなく、取り組んだことを褒めることが大切です。

ステップ5：少しずつ時間を延ばす

1週間続いたら、「もう15分やってみる？それともこのままでいい？」と本人に選ばせます。無理なく延ばしていきましょう。

家庭でできる学習環境の整え方

学習習慣を作るためには、環境づくりも大切です。

◎集中できる場所を用意する

・部屋が散らかっていると集中できないので、机の上だけでも片付ける

・テレビが見えない位置に座る

・兄弟姉妹がいる場合は、静かな時間帯を選ぶ

・学習道具を手の届く場所に

・教科書、ノート、筆記用具を一箇所にまとめておく

◎「勉強しよう」と思った時にすぐ始められる状態にする

・親も一緒の空間で何かをする

・お子さんが勉強している横で、親も読書をする、仕事をするなど

・「一緒に頑張ろう」という雰囲気が生まれます

・ただし、監視ではなく見守る姿勢で

・スマホやゲームは別の場所に

・学習時間中は別の部屋に置いておく

・「終わったら使っていいよ」とメリハリをつける

オンライン学習・家庭教師・塾…どれを選ぶ?

「一人では続けられなさそう...」という場合は、外部のサポートを活用しましょう。

オンライン学習教材（月3,000円〜10,000円程度）

【メリット】

・自分のペースで進められる

・時間や場所を選ばない

・比較的安価

【向いている子】

・一人でも集中できる

・パソコンやタブレットの操作に慣れている

・自分で計画を立てられる

オンライン家庭教師（月20,000円〜40,000円程度）

【メリット】

・マンツーマンで丁寧に教えてもらえる

・外出不要で人と話す練習になる

・質問しやすい

【向いている子】

・一人だと不安がある

・分からないところを質問したい

・誰かに見守られると安心する

不登校対応の塾・フリースクール（月30,000円〜80,000円程度）

【メリット】

・同じような境遇の仲間に出会える

・学習と居場所の両方が得られる

・進路相談もできる

【向いている子】

・少しずつ外出できるようになってきた

・人との関わりも少しほしい

・進路について相談したい

それぞれに特徴があるので、お子さんの状態に合わせて選びましょう。無料体験がある場合は、必ず試してから決めることをお勧めします。

子どものペースを守りながら前に進むコツ

最も大切なのは、子どものペースを守ることです。

「もっとやらなきゃ」「このペースじゃ間に合わない」...そんな焦りは、一旦横に置いてください。

お子さんのペースで、1歩ずつ前に進んでいる。それだけで十分です。

◎親ができること

・毎日「今日も頑張ったね」と声をかける

・できなかった日があっても責めない

・「明日またやってみようか」と明るく言う

・小さな進歩を一緒に喜ぶ

◎避けるべきこと

・「どうしてできないの？」と責める

・他の子と比較する

・「このままじゃダメだよ」と不安をあおる

・無理やり机に向かわせる

学習習慣は、一朝一夕には身につきません。でも、今日15分取り組めたら、それは大きな前進です。

明日は、「フリースクール」という選択肢について詳しくお話しします。学習支援と進路相談がしっかりしているフリースクールは、不登校のお子さんにとって心強い味方になります。

今日は、お子さんと一緒に「どの教科なら少しやってみてもいいかな？」と相談してみてください。選ぶだけでも、立派な第一歩です。