「SNSが怖い」その不安の正体〜保護者が本当に心配していることとは〜
昨日の記事を読んで、「中高生のSNS利用の実態はわかったけれど、でも...やっぱり心配」そんな風に思われた方も多いのではないでしょうか。
実は、その「でも、やっぱり」という気持ち、とても大切なんです。それは愛する我が子を思う、とても自然で健全な感情なのですから。
今日は、なぜ私たち保護者がSNSに対してこれほど不安を感じてしまうのか、その心理の奥深くを一緒に探ってみましょう。不安の正体がわかれば、きっと子どもたちともっと建設的な話ができるようになるはずです。
不安の正体①:見えない相手への恐怖心
「知らない人と簡単につながってしまうのが怖い」
実際の調査でも、保護者の42.1%が「知らない人とのやり取りや面会」を最も心配していることがわかっています。これは親として当然の感情です。
でも、少し考えてみてください。私たちの子ども時代、公園で知らない子と仲良くなって一緒に遊んだ経験、ありませんか?習い事や塾で出会った、他の学校の友達はいませんでしたか?
現代の子どもたちにとって、SNSは私たちにとっての「公園」や「習い事」のような場所なのかもしれません。同じ趣味を持つ仲間と出会い、刺激を受け合う場所として機能しているのです。
もちろん、リスクがゼロとは言いません。でも、「ネットの向こうは危険な人ばかり」というのは、現実とは少し違うようです。実際に子どもたちがSNSで交流している相手の多くは、同世代の、似たような興味を持つ仲間たちです。
大切なのは、「一律に禁止する」のではなく、「安全に交流する方法を一緒に考える」ことかもしれませんね。
不安の正体②:「依存症」という言葉に振り回される心
「うちの子、SNS依存になってるのでは...」
でも、「依存」の定義を正確にご存知ですか?医学的には、「その行為によって日常生活に明らかな支障をきたしている状態」を指します。食事を抜く、睡眠時間を大幅に削る、学校に行けなくなる、友人関係が破綻する...こうした状況になって初めて「依存」と言えるのです。
「長時間使っている=依存」ではありません。
考えてみてください。私たち大人も、1日3〜4時間はスマホを見ているというデータがあります。SNSをチェックし、ニュースを読み、動画を見て...子どもたちの利用時間と、実はそれほど変わらないのです。
子どもたちにとってSNSは、私たちが仕事帰りにテレビを見たり、友人と電話で話したりするのと同じような「息抜きの時間」なのかもしれません。
不安の正体③:「勉強より楽しいもの」への焦り
「SNSばかりしていて、勉強に集中できない」
この心配、痛いほどわかります。でも、実は私たちの時代にも似たようなことがありませんでしたか?「漫画ばかり読んで勉強しない」「テレビばかり見て宿題をしない」...
SNSと学習成績の関係について、最新の研究では興味深い結果が出ています。「適度なSNS利用は、情報収集能力やコミュニケーション能力の向上につながる」という報告もあるのです。
問題は「SNSをやること」ではなく、「優先順位がはっきりしていないこと」「目標が明確でないこと」かもしれません。SNSの時間と勉強の時間、どちらも大切にできるメリハリのつけ方を、一緒に考えてみませんか?
不安の正体④:見えない「いじめ」への恐れ
これは、決して軽視できない不安です。実際に、子どもが経験したSNSトラブルで最も多いのは「ネット上のいじめ」で34.3%という調査結果があります。
SNSいじめの特徴は、「24時間続く」「証拠が残る」「多くの人に見られる可能性がある」ことです。LINEのグループから突然外される、匿名で悪口を書かれる、写真を勝手に使われる...従来のいじめとは違う深刻さがあります。
でも、だからといって「SNSから完全に遮断すれば解決」するわけではありません。現代の子どもたちにとって、SNSから切り離されることは、社会から孤立することに近い感覚なのです。
大切なのは、「問題が起きたときに、すぐに相談できる関係性」を普段から築いておくことです。
愛情ゆえの心配を、子どもに伝わる形に
ここまで読んで、気づかれたことはありませんか?私たちの不安の根っこには、すべて「子どもを愛するからこその心配」があります。
・安全でいてほしい
・健康でいてほしい
・しっかり勉強してほしい
・友達と仲良くしてほしい
これらは、とても自然で、とても大切な願いです。
でも、その愛情が子どもに正しく伝わっているでしょうか?「SNSばかりしてダメね!」と言われた子どもは、「自分がダメな人間なんだ」と感じてしまうかもしれません。本当に伝えたいのは「あなたのことが心配で、幸せになってほしいの」というメッセージなのに。
世代間ギャップを超える第一歩
私たちが子どもの頃、友達との連絡手段は固定電話や手紙でした。待ち合わせに遅れたら、ただ待つしかありませんでした。今思えば、とても不便でしたよね。
でも、その時代には、その時代なりの良さがありました。そして今の時代にも、今の時代なりの良さがあるのです。
私たち親世代の「SNS観」と、子ども世代の「SNS観」には確かに違いがあります。でも、それは「どちらかが間違っている」のではなく、「時代背景が違う」だけなのです。
お互いの立場を理解し合うことから、本当の対話が始まります。
明日は、SNSの具体的なメリット・デメリットを客観的に整理して、感情論ではない建設的な話し合いの準備をしていきましょう。
今夜、お子さんに「最近、学校どう?友達とは仲良くしてる?」と聞いてみてください。SNSの話から始めるのではなく、まずは子どもの「今」に関心を向けることから始めてみませんか?
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