学校に行けなくなった子どもへの寄り添い方 - 親ができる最初の一歩

「学校に行きたくない」と言われた時の受け止め方

「学校に行きたくない」「体調が悪くて起きられない」お子さんからこんな言葉を聞いた時、心の中はどんな気持ちになるでしょうか?

心配、不安、時には怒りの気持ちが湧いてくることもあるかもしれません。でも、まず深呼吸をして、お子さんの立場に立って考えてみてください。

起立性調節障害のお子さんにとって、「学校に行きたくない」という言葉は、本当は「学校に行きたいけれど、体がついてこない」というSOSのサインなのです。自分でもなぜこんなに体調が悪いのかわからず、周りからは「怠けている」と思われるかもしれないという不安の中で、必死に状況を伝えようとしているのかもしれません。

最初の反応がとても大切です。「そうなんだね、辛いね」とまずは気持ちを受け止めてあげてください。解決策や励ましの言葉は、その後で十分です。


子どもを責めずに症状を理解する声かけ術

起立性調節障害の子どもへの声かけには、いくつかのポイントがあります。

避けたい言葉

「みんなは学校に行ってるのに」

「気合いが足りない」

「甘えている」

「夜更かしするから」

「昼間元気なのに朝だけ調子が悪いなんて」

効果的な声かけの例

「体調が悪いんだね、しんどいよね」

「無理しなくていいよ」

「あなたのことを信じているよ」

「一緒に解決方法を考えよう」

「今日はゆっくり休もう」

特に大切なのは、症状の「時間的変化」を理解してあげることです。「朝は本当に辛くて、午後から楽になるんだね」と、お子さんの体験を言葉にして返してあげることで、「分かってもらえた」という安心感を与えることができます。

また、お子さんが「学校に行けない自分が情けない」と言った時は、「病気のせいで、あなたのせいじゃないよ」と明確に伝えてあげてください。


学校との連携で気をつけるポイント

学校への連絡や相談は、多くの保護者の方が悩まれるポイントです。以下の点に注意して、建設的な関係を築きましょう。

担任の先生への伝え方

まずは起立性調節障害について簡単に説明し、「病気による症状であること」を理解してもらいましょう。

「うちの子は起立性調節障害という病気の可能性があり、朝起きるのが非常に困難な状態です。午前中は症状が強く、午後から回復する傾向があります」

具体的な症状や、医療機関を受診する予定があることも伝えておくと良いでしょう。

保健室の先生との連携

保健室の先生は、起立性調節障害について理解がある場合が多いです。症状が出た時の対応方法や、休憩場所として保健室を利用できるかどうかを相談してみてください。


配慮をお願いしたいポイント

・朝の遅刻に関する理解

・体育や朝礼での配慮

・症状が出た時の保健室利用

・宿題や課題の調整

・進級・進学に関する相談

学校が理解してくれない場合

残念ながら、まだ起立性調節障害への理解が十分でない場合もあります。そんな時は、医師からの診断書や意見書を活用したり、教育委員会や専門機関に相談することも検討してください。


兄弟姉妹への説明と家族全体でのサポート

起立性調節障害のお子さんがいる家庭では、兄弟姉妹への配慮も重要です。

兄弟姉妹は「なぜお兄ちゃん(お姉ちゃん・弟・妹)だけ学校を休めるの?」「ずるい」と感じることがあります。年齢に応じて、病気について説明してあげてください。

小学生には「○○ちゃんは、体の調子を整える機能がうまく働かない病気なんだよ。朝起きるのがとても辛いから、お医者さんと一緒に治していこうとしているんだ」

中高生には、もう少し詳しく自律神経の働きについて説明し、「サポートしてほしい」とお願いすることも大切です。

家族全体で病気を理解し、お子さんを支える体制を作ることで、治療効果も高まります。


罪悪感を和らげる環境づくりのコツ

起立性調節障害のお子さんの多くが、「みんなに迷惑をかけている」「自分のせいで家族が心配している」という強い罪悪感を抱いています。

この罪悪感を和らげるための環境づくりのポイントをご紹介します。

日常生活の工夫

・無理のない範囲で家事を手伝ってもらう

・体調の良い時間帯を活かした活動を一緒に楽しむ

・症状の改善を一緒に喜ぶ

・学校以外の居場所や活動を見つける

声かけの工夫

・「ありがとう」を意識的に伝える

・小さな変化や努力を認める

・未来への希望を共有する

・「あなたがいてくれるだけで嬉しい」と伝える


家族時間の大切さ

症状が軽い夕方から夜の時間を活用して、家族でゆっくり過ごす時間を作りましょう。お子さんにとって、家族との穏やかな時間が心の支えになります。

明日は、適切な診断と治療を受けるための医療機関選びについてお話しします。今日は、お子さんの気持ちに寄り添う声かけを意識してみてください。きっとお子さんの表情が少し明るくなるはずです。

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