『なんで私だけこんなに大変なの?』発達障害ママが抱える育児の困りごとの正体

朝の戦争状態はなぜ起こる?マルチタスクが苦手な脳の仕組み

「朝ご飯を作りながら子どもの着替えを手伝って、洗濯物を干して、明日の準備もして...」

そんな朝の光景、想像しただけで疲れてしまいませんか?

発達障害の特性を持つお母さんにとって、朝の時間は本当に過酷な戦場です。でも、これは決して「要領が悪い」「怠けている」わけではありません。

発達障害の脳は、複数のことを同時に処理するのが苦手な構造になっているのです。健康な人でも難しいマルチタスクが、発達障害の方にとってはさらに困難になります。

例えば、子どもが「ママ、靴下がない!」と言った瞬間、料理の手を止めて靴下を探しに行く。その間にお味噌汁が沸騰して、慌てて火を止めに戻る。すると今度は子どもが「まだ着替えてない!」と泣き出す...。

この連鎖反応こそが、朝の戦争状態の正体なのです。

あなたが悪いのではありません。脳の特性なのです。


「5分だけ」が1時間に...時間感覚のズレが引き起こす遅刻問題

「あと5分で準備完了!」と思ったのに、気がつくと30分経っている。

発達障害の方によくある「時間感覚のズレ」です。これも脳の特性の一つで、時間の経過を正確に感じ取ることが難しいのです。

保育園のお迎えが3時なのに、2時45分になって「まだ洗濯物を干していない!」と気づく。急いで干しているうちに3時を過ぎてしまい、先生から心配される...。

こんな経験、ありませんか?

時間に遅れるたびに「また遅刻してしまった」「私はダメな母親だ」と自分を責めてしまう方も多いでしょう。でも、これは意志の問題ではなく、脳の時間認識の特性なのです。


子どもの泣き声で頭がパンクする感覚過敏の辛さ

子どもが泣くたびに、まるで頭の中でサイレンが鳴り響くような感覚。

感覚過敏を持つお母さんにとって、子どもの泣き声は想像を絶する辛さです。「母親なんだから慣れるはず」「愛情が足りないのかも」と自分を責める方もいらっしゃいますが、これは愛情の問題ではありません。

感覚過敏は、音や光、においなどの刺激を通常よりも強く感じてしまう特性です。赤ちゃんの泣き声は、生物学的に大人の注意を引くように高い周波数でできていますが、感覚過敏があると、その刺激が何倍にも増幅されて感じられるのです。

おむつ替えの時のにおいで気分が悪くなったり、子どもの食べこぼしの感触が耐えられなかったりするのも、すべて感覚過敏による自然な反応です。


ママ友の輪に入れない...コミュニケーションの困難さ

保育園の送迎時、他のお母さんたちが楽しそうに話している輪に、どうやって入ればいいのかわからない。

発達障害の特性として、暗黙のルールを読み取ったり、適切なタイミングで会話に参加したりすることが難しい場合があります。

「おはようございます」と挨拶しても、その後の会話が続かない。相手の表情から気持ちを読み取れず、不快にさせてしまったのではないかと不安になる。結果として、ママ友との関係を築くのが難しくなってしまいます。

これが続くと「私は人付き合いができない母親だ」「子どもにも迷惑をかけているのでは」と落ち込んでしまうことも。

でも、コミュニケーションの方法は一つではありません。あなたらしい関わり方があるはずです。


家が片付かないのは「だらしない」せいじゃない

リビングには子どものおもちゃが散乱し、洗濯物は山積み、キッチンには使った食器が...。

「いつも家が片付かない」「お客さんを呼べない」そんな悩みを抱えていませんか?

発達障害の特性として、空間認識や優先順位をつけることが苦手な場合があります。どこから手をつけていいかわからず、結果として何も片付かない、という状況に陥りやすいのです。

また、完璧主義の傾向があると「中途半端に片付けるくらいなら、やらない方がマシ」と思ってしまい、さらに片付けが遠のいてしまうことも。

これは「だらしない」性格の問題ではなく、脳の情報処理の特性なのです。


感情のコントロールができずに子どもに当たってしまう罪悪感

一日頑張って、疲れ切った夕方。子どもがぐずったり、言うことを聞かなかったりすると、つい感情的になってしまう。

「また怒鳴ってしまった」「優しいお母さんになりたいのに」そんな自己嫌悪に陥ったことはありませんか?

発達障害の特性として、感情の調整が苦手な場合があります。特に疲労やストレスが溜まると、感情のコントロールがより困難になります。

子どもに当たってしまった後の罪悪感は計り知れないものがありますが、これもあなたの人格の問題ではありません。


「私、母親失格なのかも...」と思ってしまう前に知っておきたいこと

毎日の育児で困難を感じるたびに「私は母親失格なのかもしれない」と思ってしまう。

でも、ちょっと待ってください。

発達障害の特性は、決して「劣っている」わけではありません。視点を変えれば、それは個性であり、時には強みにもなりうるものです。

例えば:

・こだわりの強さは、子どもの生活リズムを整えるのに役立ちます

・感覚の敏感さは、子どもの体調変化を早期に察知できます

・集中力の高さは、子どもが興味を持ったことを一緒に深く探求できます

・正直さは、子どもとの信頼関係を築く基盤になります

完璧な母親なんて、この世界には存在しません。あなたはあなたらしく、愛情を持って子どもと向き合っている。それだけで十分なのです。

明日は、ADHD特性を持つお母さんに向けて、時間管理や忘れ物防止の具体的なテクニックをお伝えします。小さな工夫で、毎日がグッと楽になりますよ。

今日一日、お疲れさまでした。あなたは一人じゃありません。

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