苦手なテストを克服する!タイプ別・効果的な勉強法
まずは「自分のタイプ」を認めることから
「うちの子、定期テストも実力テストも両方できるようになってほしい」
保護者の方なら、誰もがそう思いますよね。でも、焦らないでください。
まず大切なのは、お子さんが「自分はどちらのタイプか」を理解し、それを認めることです。
多くの子どもたちは、自分のタイプを知らずに、苦手なテストで結果が出ないたびに「自分はダメだ」と思い込んでしまいます。
でも実際は、ダメなのではなく、そのテストに合った勉強法を知らないだけなのです。
今日は、それぞれのタイプが苦手なテストを克服するための、具体的な勉強法をお伝えします。
【定期テスト型の子】実力テストで点数を上げる勉強法
定期テストは得意だけど実力テストが苦手な子は、「暗記」から「理解」へのシフトが必要です。
勉強法①:「なぜ?」を3回繰り返す習慣
定期テスト型の子に最も効果的なのが、この「なぜ3回」メソッドです。
【数学の場合】
問題:「二次方程式 x² - 5x + 6 = 0 を解け」
1回目の「なぜ?」:なぜ因数分解で解けるの?
→ (x-2)(x-3) = 0 という形にできるから
2回目の「なぜ?」:なぜこの形にすると解が分かるの?
→ かけて0になるということは、どちらかが0だから
3回目の「なぜ?」:なぜこの方法で方程式が解けるの?
→ 0の性質を利用しているから
このように、「なぜ?」を3回繰り返すことで、表面的な暗記から本質的な理解に変わります。
【理科の場合】
知識:「光合成には葉緑体が必要」
1回目の「なぜ?」:なぜ葉緑体が必要なの?
→ 葉緑素があるから
2回目の「なぜ?」:なぜ葉緑素が必要なの?
→ 光のエネルギーを吸収するから
3回目の「なぜ?」:なぜ光のエネルギーが必要なの?
→ 水と二酸化炭素から糖を作るエネルギー源だから
実践方法
ノートの右ページに問題や知識、左ページに「なぜ?」を3つ書く習慣をつけましょう。最初は大変ですが、1週間続けると思考パターンが変わってきます。
勉強法②:知識をつなげる「マインドマップ勉強法」
定期テスト型の子は、知識が「バラバラ」になりがちです。それを「つなげる」のがマインドマップです。
【歴史のマインドマップ例】
中心に「江戸時代」と書き、そこから:
・政治(幕府の仕組み)
・経済(農業・商業の発展)
・文化(元禄文化・化政文化)
・外交(鎖国・黒船来航)
それぞれを線でつなぎ、関連性を書き込みます。
「経済が発展」→「町人文化が栄える」→「元禄文化」
「黒船来航」→「幕府の力が弱まる」→「倒幕運動」
こうすることで、バラバラだった知識が「ストーリー」になります。
実践方法
定期テストが終わったら、その範囲をマインドマップにまとめる
・色ペンを使って、関連性を視覚的に
・壁に貼って、時々眺める
・3ヶ月後の実力テストで、この「つながり」が活きてきます。
勉強法③:3ヶ月復習サイクルの作り方
実力テストは長期記憶が勝負。そのために効果的なのが「3ヶ月復習サイクル」です。
【復習のタイミング】
・学習直後
・1週間後
・1ヶ月後
・3ヶ月後
このタイミングで復習すると、記憶が長期記憶に変わります。
【具体的な方法】
・定期テストが終わったら、テスト範囲をA4用紙1枚にまとめる
・その紙をファイルに入れて、日付を書く
・1週間後に見返す(5分でOK)
・1ヶ月後に見返す(10分、問題を解いてみる)
・3ヶ月後に見返す(15分、応用問題に挑戦)
ポイント
・完璧を求めない。「思い出す」だけで効果があります。
・スマホのリマインダーに登録しておくと、忘れずに実行できます。
勉強法④:「教える」ことで定着させるテクニック
**最強の学習法は「人に教えること」**です。
これは脳科学的にも証明されていて、インプット(聞く・読む)よりアウトプット(話す・書く・教える)の方が、記憶の定着率が圧倒的に高いのです。
【家庭でできる「教える」実践】
方法1:保護者に教える
「お母さん、今日習った二次関数、教えてあげる」
方法2:録音する
スマホに向かって「授業」をする。自分の説明を聞き返すことで、理解不足に気づける。
方法3:弟妹に教える
年下の子に教えることで、よりシンプルに説明する力がつく。
方法4:ノートに「説明」を書く
「このページを見た人が理解できるように」という視点で書く。
実際の成功例
中学2年生のFさん。定期テスト型で実力テストが苦手でした。
そこで、毎週日曜日に「お母さんへの授業タイム」を30分設定。その週に習った内容を、お母さんに教えることにしました。
3ヶ月後の実力テスト、数学が35点→68点に。
「教えようとすることで、自分が本当に理解してるか分かった」とFさん。
【実力テスト型の子】定期テストで点数を上げる勉強法
実力テストは得意だけど定期テストが苦手な子は、「戦略的な手抜き」と「システム化」が鍵です。
勉強法①:「最低限ライン」を明確にする戦略
実力テスト型の子は完璧主義な面があり、「全部やらなきゃ」と思って結局何もできません。
だから、「これだけやれば70点」という最低限ラインを設定します。
【科目別・最低限ライン】
数学(目標70点)
・教科書の練習問題:全部
・ワークの基本問題:全部
・ワークの応用問題:捨てる
英語(目標70点)
・教科書本文の重要文:15文を完璧に
・新出単語:太字のみ
・ワークの文法問題:基本のみ
理科(目標70点)
・重要用語:30個に絞る
・実験の結果:覚える
・実験の考察:捨てる(記述は部分点狙い)
社会(目標70点)
・太字の用語:全部
・年号:10個だけ
・細かい説明:捨てる
国語(目標70点)
・漢字:範囲の漢字全部
・本文:教科書を3回音読
・記述:部分点狙い
ポイント
「100点を目指さない」ことが重要。70点でも内申点は「4」がつく学校が多いです。
勉強法②:テスト範囲を「攻略ゲーム」にする方法
実力テスト型の子は、ゲームやパズルが好きな子が多いです。だから、テスト勉強をゲーム化します。
【ゲーム化の例】
ステージ1:範囲の「敵」を全て見つける
・ワークを1回解いて、できない問題に印をつける
・これが「倒すべき敵」
・敵の数をカウント
ステージ2:敵を「レベル分け」する
・レベル1(簡単):もう一度やれば確実に解ける
・レベル2(普通):理解すれば解けそう
・レベル3(難しい):今回は捨てる
ステージ3:レベル1の敵から倒していく
・1問解けたら「1体倒した」
・全部倒せたらステージクリア
ステージ4:レベル2の敵に挑戦
・理解できたら「1体倒した」
・わからない問題は「一旦保留」
ステージ5:ボス戦(テスト本番)
・倒した敵は出てこない
・保留にした敵も、部分点を狙って挑戦
・記録をつける
ノートやスマホに「倒した敵の数」を記録。視覚的に進捗が分かるとモチベーションが上がります。
勉強法③:提出物を確実にクリアする仕組み作り
実力テスト型の子の最大の弱点が「提出物」。これをシステム化します。
【提出物管理システム】
方法1:「提出物ボックス」を作る
・机の上に箱を置く
・学校から配られたプリント・ワークは全部この箱へ
・週末に箱の中身を確認
方法2:スマホのリマインダー活用
・提出物の期限をすぐにスマホに入力
・3日前、1日前にアラーム設定
方法3:「提出物の日」を決める
・毎週土曜日の午前中は「提出物タイム」
・まとめてやる方が効率的
方法4:親のサポート
・「今週、提出物ある?」と週1回聞く
・提出物カレンダーを一緒に作る
ポイント
提出物は「勉強」ではなく「タスク管理」の問題。勉強のやる気がなくても、システムがあればクリアできます。
勉強法④:短期集中力を引き出すタイムマネジメント
実力テスト型の子は、長時間の勉強が苦手。でも、短時間なら驚くほど集中できます。
【ポモドーロテクニック改】
・基本のポモドーロ(25分勉強+5分休憩)を、実力テスト型向けにカスタマイズ。
・実力テスト型向けバージョン
・15分勉強+5分好きなこと
・または、10分勉強+3分好きなこと
・短い時間でも、集中すれば十分効果があります。
【「スイッチ」を作る】
・勉強を始める時の「スイッチ」を決めます。
・好きな音楽を1曲だけ聴く
・好きな飲み物を用意する
・タイマーをセットする儀式
このスイッチがあると、切り替えがしやすくなります。
【テスト週間の時間割】
実力テスト型の子には、ガチガチのスケジュールは合いません。でも、最低限の時間割は必要。
【テスト1週間前からの時間割例】
平日:
- 朝:英単語10分
- 放課後:1教科だけ30分
- 夜:提出物30分
土日:
- 午前:2時間(25分×4セット)
- 午後:自由
- 夜:1時間(弱点補強)
「これだけでいいの?」と思うかもしれませんが、実力テスト型の子にとっては、「少なくて確実」の方が成功率が高いのです。
【両タイプ共通】やってはいけない勉強法
最後に、どちらのタイプにも共通する「やってはいけない勉強法」をお伝えします。
NG①:他人と比較する
❌「○○さんは両方できるのに」
❌「お兄ちゃんはもっとできたよ」
→ 比較は自己肯定感を下げるだけ。お子さんのペースを尊重しましょう。
NG②:完璧を求める
❌「80点じゃダメ。次は90点を目指しなさい」
❌「実力テストも定期テストも両方頑張れ」
→ まずは得意な方を伸ばし、苦手な方は「少しずつ」改善を。
NG③:勉強時間だけを見る
❌「3時間も勉強したのに、なんでこの点数?」
❌「もっと長く勉強しなさい」
→ 大切なのは時間ではなく、「質」と「方法」。
NG④:やり方を押しつける
❌「お母さんの時はこうやって勉強したよ」
❌「この参考書を使いなさい」
→ お子さんに合った方法を、一緒に探すことが大切。
NG⑤:結果だけを見る
❌「何点取れたの?」(第一声がこれ)
❌「なんでできなかったの?」
→ まずは「頑張ったね」「どうだった?」と、プロセスに目を向けましょう。
今日から始められる「一つだけ」
今日お伝えした勉強法、全部やろうとしないでください。まずは一つだけ、今日から始めてみましょう。
定期テスト型の子
→ 今日の勉強で「なぜ?」を3回言ってみる
実力テスト型の子
→ 提出物をチェックして、スマホにリマインダー設定
たった一つの習慣が、3ヶ月後には大きな変化を生みます。
明日は最終回。定期テストも実力テストも、両方で力を発揮できる「真の学力」を育てる方法をお伝えします。
今夜、お子さんと「どの勉強法、試してみたい?」と相談してみてください。お子さん自身が選ぶことで、実行率が格段に上がります。
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