やる気を引き出す『良い声掛け』実践編 - 朝・夕・週末のシーン別アプローチ
【良い声掛け】朝の5分で変わる!出勤前の魔法の言葉
朝は一日の始まり。お父さんの一言が、子どもの一日を変えることがあります。
パターン1:シンプルな応援
「おはよう。今日も頑張れよ」
「いってらっしゃい。いい一日を」
シンプルですが、毎朝続けることで「お父さんは自分を応援してくれている」という安心感が生まれます。
パターン2:観察を伝える
「最近、朝の準備が早くなったな」
「今日は元気そうだね。いいことあった?」
子どもの変化に気づいていることを伝えると、「見てくれている」という実感を持ちます。
パターン3:具体的な関心
「今日は何の授業があるんだっけ?」
「今日って確か○○のテストだっけ?」
スケジュールを覚えていることで、「ちゃんと気にかけてくれている」と感じます。
パターン4:ユーモアを交える
「今日も学校に勝ちに行けよ!」
「今日のラッキーアイテムは笑顔だぞ」
少し軽い調子で送り出すことで、プレッシャーなく一日を始められます。
NGな朝の声掛け
❌「勉強の準備はしたのか?」→ 朝から詰問調は避けましょう
❌「また遅刻しそうじゃないか」→ ネガティブな指摘は控えめに
❌「テストで良い点取ってこいよ」→ プレッシャーをかけすぎ
朝は「前向きな気持ち」で送り出すことを最優先に。細かいチェックはお母さんに任せて、お父さんは大きく背中を押してあげましょう。
【良い声掛け】帰宅後の疲れた時こそチャンス!夕食時の会話術
仕事から帰ってきたお父さんは疲れています。でも、子どもも学校から帰って疲れているのです。だからこそ、お互いの疲れを労い合う会話が、良いコミュニケーションになります。
パターン1:まずは自分の話から
「今日は仕事で○○があってさ、疲れたよ。〇〇はどうだった?」
自分の話を先にすることで、子どもも話しやすくなります。特に思春期の子どもには効果的です。
パターン2:共感する姿勢
子ども「今日、テストで緊張した」
お父さん「そうか、緊張するよな。お父さんも大事なプレゼンの前は緊張するよ」
「自分だけじゃない」と感じることで、子どもは安心します。
パターン3:食事を楽しむ会話
「このおかず、美味しいな。〇〇は何が一番好き?」
「今日の給食は何だったの?」
勉強の話ばかりせず、日常的な会話を楽しむことも大切です。
パターン4:間接的な関心
「最近、友達とは仲良くやってる?」
「部活(クラブ)は楽しい?」
勉強以外の学校生活にも関心を示すことで、子どもは「全体を見てくれている」と感じます。
夕食時の良い雰囲気を作るコツ
・スマホは置く
・テレビは消すか音量を下げる
・「ながら食べ」をしない
・お母さんの話も一緒に聞く
・笑顔で食事を楽しむ
週に1回でもいいので、家族全員で食卓を囲む時間を大切にしましょう。そこでの会話が、子どもの心の栄養になります。
【効果的だった実例】
ある父親は、毎晩の夕食時に「今日のMVP(Most Valuable Person)は誰だった?」と子どもに聞くそうです。
学校で親切にしてくれた友達、わかりやすく教えてくれた先生、美味しいご飯を作ってくれたお母さん...。
他者に感謝する習慣が身につき、同時に学校での出来事を自然に話すきっかけになっています。
【良い声掛け】週末に試したい!じっくり向き合う対話テクニック
週末は、お父さんと子どもがじっくり向き合える貴重な時間です。平日にできない深い対話のチャンスです。
テクニック1:並走する時間を作る
一緒に何かをしながらの会話は、子どもの本音を引き出しやすくなります。
・一緒に買い物に行く
・車で出かける
・散歩する
・スポーツを一緒にする
・ゲームを一緒にプレイする
向かい合って「さあ話そう」というより、横並びで自然に会話が生まれる環境が理想的です。
テクニック2:オープンクエスチョン
「はい・いいえ」で答えられない質問をすることで、子どもの考えを深く聞けます。
⭕ 「最近、学校で一番楽しいことは何?」
❌ 「学校は楽しい?」
⭕ 「将来、どんなことをやってみたい?」
❌ 「将来の夢は決まった?」
⭕ 「今、一番興味があることは何?」
❌ 「勉強は順調?」
テクニック3:「教えてもらう」姿勢
子どもが詳しいことについて、お父さんが教えてもらう立場になることで、子どもの自信が高まります。
「そのゲーム、面白そうだな。どんな内容なの?」
「その YouTuber、よく見てるよな。何が面白いの?」
「その音楽、よく聞いてるけど、どんなグループなの?」
子どもが生き生きと説明する姿を見て、「こんなに熱中できるものがあるんだ」と気づくことができます。
テクニック4:将来の話を一緒にする
プレッシャーをかけずに、夢や可能性について語り合う時間も大切です。
「お父さんが〇〇の年齢の時はね...」という自分の経験談
「世の中には、こんな仕事もあるんだって」という情報提供
「〇〇が好きなことを仕事にできたら素敵だよな」という応援
ただし、「だからお前も○○しろ」という押し付けにならないよう注意が必要です。
週末の特別な時間の作り方
月に1回でもいいので、「父子の特別な時間」を作っている家庭は、親子関係が良好です。
・月に1回、二人でランチに行く
・月に1回、一緒に映画を見に行く
・月に1回、早朝にランニングする
・月に1回、図書館に一緒に行く
特別なことをする必要はありません。「お父さんと二人の時間」という事実そのものが、子どもにとって特別なのです。
お父さんならではの「体験談」の効果的な伝え方
お父さんの体験談は、子どもにとって生きた教材です。でも、伝え方次第で効果が大きく変わります。
効果的な体験談の3つのポイント
1. 失敗談を積極的に話す
⭕ 「お父さんも中学の時、数学が苦手でさ。テストで20点取ったことあるんだよ。でも、基礎から一つ一つやり直したら、だんだんわかるようになってきた」
❌ 「お父さんは勉強が得意だったから、お前も頑張れ」
成功談よりも失敗談の方が、子どもは共感しやすく、「お父さんでも失敗したんだ」と安心します。
2. 「乗り越え方」をセットで伝える
失敗したという事実だけでなく、どうやってそれを乗り越えたのかを伝えることが重要です。
「諦めずに続けた」
「周りに助けを求めた」
「方法を変えてみた」
「時間はかかったけど、少しずつできるようになった」
具体的な「乗り越え方」が、子どもの問題解決のヒントになります。
3. 「今も成長中」と伝える
「お父さんも今の仕事で、まだまだ学ぶことがたくさんあるんだよ」
「この前、新しいシステムの使い方を教えてもらったんだ」
大人になっても学び続けている姿を見せることで、「学びは一生続くもの」と理解します。
体験談を話すタイミング
子どもが困っている時、失敗して落ち込んでいる時が最適なタイミングです。
「そういえばお父さんも...」と自然に切り出すことで、説教臭くならず、共感的なサポートになります。
「褒める」と「認める」の違いを理解する
お父さんの声掛けで最も重要なのが、「褒める」ではなく「認める」ことです。この違いを理解すると、声掛けの質が大きく変わります。
「褒める」= 評価する言葉
「すごいね!」「えらいね!」「よくできたね!」
これらは悪くはありませんが、結果や成果に対する評価です。子どもは「良い結果を出さないと認めてもらえない」と感じることがあります。
「認める」= 存在を肯定する言葉
「頑張ってるね」「よく考えたね」「最後までやり通したね」
これらは、プロセスや努力、存在そのものを認める言葉です。結果に関係なく、子どもの姿勢や取り組みを評価します。
実践例の比較
テストで70点を取ってきた子どもに...
❌ 褒める:「すごいじゃないか!よくできたな!」
→ 子どもは「点数が良かったから褒められた。次も良い点を取らなきゃ」とプレッシャーを感じる
⭕ 認める:「コツコツ勉強してたもんな。その努力が形になったね」
→ 子どもは「努力を見てくれていた。プロセスが大事なんだ」と理解する
宿題に取り組んでいる子どもに...
❌ 褒める:「えらいね!宿題してて」
→ 子どもは「宿題をすることがえらいこと?当たり前じゃないの?」と違和感を覚える
⭕ 認める:「集中して取り組んでるね」
→ 子どもは「集中している姿を見てくれている」と感じる
「認める」声掛けのバリエーション
「よく気づいたね」(観察力を認める)
「丁寧にやってるね」(姿勢を認める)
「最後までやり切ったね」(継続力を認める)
「工夫してるね」(創意を認める)
「自分で考えたんだね」(自主性を認める)
「難しいのに挑戦してるね」(挑戦を認める)
結果ではなく、プロセスを認める。これがお父さんの声掛けの極意です。
明日は、逆に「避けたい声掛け」について詳しく解説します。良い声掛けを知っていても、NGな言葉を使ってしまっては台無しです。今夜は、今日学んだ「認める」声掛けを一つ、お子さんに試してみてください。
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