通信制高校の選び方 - 『自分に合う学校』を見つける比較ポイント
通信制高校、実はこんなに種類がある
「通信制高校って、どこも同じじゃないの?」
いいえ、実は大きく違います。全国に約250校以上ある通信制高校は、それぞれ特色が全く異なるのです。
大きく分けると3つのタイプ
①公立通信制高校
・学費が安い(年間3〜5万円程度)
・自学自習が基本
・サポートは最小限
・自己管理能力が求められる
②私立通信制高校(広域通信制)
・学費は高め(年間30〜100万円以上)
・サポート体制が充実
・多様な学習スタイルを選べる
・キャンパスが全国にある
③私立通信制高校(サポート校付き)
・学費は最も高い(年間100万円以上も)
・手厚い個別サポート
・通学型で毎日通える
・大学進学サポートも充実
さらに、学校によって特色も様々です。
・IT・プログラミングに特化した学校
・芸能・芸術活動を支援する学校
・スポーツに力を入れている学校
・大学進学に強い学校
・不登校経験者へのケアが手厚い学校
「通信制高校」という一つの枠ではなく、「250以上の全く違う学校がある」と考えた方が良いでしょう。
サポート体制の違いで選ぶ - 手厚さのレベルとは
通信制高校を選ぶ際、最も重要なのが「サポート体制」です。お子さんに必要なサポートのレベルを考えてみましょう。
レベル1:最小限のサポート(公立通信制高校)
【こんなサポート】
・年間20日程度のスクーリング
・レポート課題の提出
・基本的に自学自習
・質問は登校日に対応
【向いている子】
・自分で計画を立てて実行できる
・一人で勉強を進められる
・最低限の出席で卒業したい
・費用を抑えたい
レベル2:適度なサポート(私立通信制・基本コース)
【こんなサポート】
・月1〜2回の登校または週1〜2回の通学
・オンラインでの学習サポート
・レポート提出のリマインド
・進路相談あり
【向いている子】
・少しサポートがあれば自分で進められる
・定期的な通学なら可能
・自分のペースを大切にしたい
レベル3:手厚いサポート(私立通信制・サポート充実コース)
【こんなサポート】
・週3〜5日の通学
・担任制で個別フォロー
・学習計画を一緒に立てる
・メンタルサポートあり
・保護者への定期連絡
【向いている子】
・一人では不安がある
・毎日の通学でリズムを作りたい
・先生との距離が近い方が安心
・友達を作りたい
レベル4:最も手厚いサポート(サポート校併用)
【こんなサポート】
・毎日通学可能
・マンツーマンの学習指導
・カウンセラー常駐
・保護者面談が頻繁
・卒業まで徹底サポート
【向いている子】
・不安が強く手厚いケアが必要
・学習の遅れが大きい
・生活リズムを整えたい
・大学進学を目指している
お子さんの状態を考えて、「どのレベルのサポートが必要か」を見極めることが大切です。
学習スタイルで選ぶ - ネット型?通学型?
通信制高校には、大きく分けて3つの学習スタイルがあります。
①ネット完結型
【特徴】
・授業もレポート提出もオンライン
・スクーリングは年数日のみ
・自宅で全て完結
【メリット】
・外出が難しくても卒業できる
・自分のペースで進められる
・全国どこからでも受講可能
【デメリット】
・自己管理が必要
・孤独を感じやすい
・友達はできにくい
【こんな子に向いている】
・外出が難しい
・自分のペースを大切にしたい
・オンライン環境に慣れている
②通学型(週1〜2日)
【特徴】
・週に1〜2回登校
・登校日に授業とスクーリング
・家庭学習と組み合わせ
【メリット】
・通学の練習になる
・先生や友達に会える
・バランスが取りやすい
【デメリット】
・最低限の通学は必要
・登校日は固定
【こんな子に向いている】
・少しずつ外に出られるようになってきた
・人との関わりもほしい
・無理なく通いたい
③通学型(週3〜5日)
【特徴】
・ほぼ毎日通学
・全日制に近い生活リズム
・クラスや部活動がある学校も
【メリット】
・生活リズムが整う
・友達ができやすい
・学校生活を楽しめる
【デメリット】
・通学が必須
・費用が高め
【こんな子に向いている】
・毎日の通学が可能
・学校生活を楽しみたい
・友達を作りたい
お子さんの今の状態と、将来こうなりたいという希望の両方を考えて、学習スタイルを選びましょう。
「今は週1回からスタートして、慣れたら週3回に増やす」というように、柔軟に変更できる学校もあります。
進学実績・就職実績から見える学校の特色
通信制高校を選ぶ際、「卒業後の進路」も重要なポイントです。
大学進学に強い学校の特徴
・進学コースがある
・予備校と提携している
・大学進学率が50%以上
・難関大学への合格実績がある
・受験サポートが充実
こういった学校は、学習面のサポートがしっかりしています。ただし、学費も高めの傾向があります。
就職サポートが充実している学校の特徴
・キャリアカウンセラーがいる
・インターンシップ制度がある
・資格取得支援がある
・就職率が高い
・企業との連携がある
将来やりたいことが決まっている場合、それに合った専門コースがある学校を選ぶのも良いでしょう。
多様な進路に対応している学校の特徴
・進学も就職もどちらもサポート
・専門学校進学の実績もある
・一人ひとりに合わせた進路指導
・じっくり進路を考える時間がある
「まだ将来のことは決まっていない」という場合は、多様な選択肢をサポートしてくれる学校が安心です。
ただし、注意したいのは「実績」だけで判断しないこと。大切なのは「お子さんに合っているか」です。
費用の違いと支援制度の活用方法
通信制高校の費用は、学校によって大きく異なります。
公立通信制高校:年間約3〜5万円
・授業料は実質無料(就学支援金で)
・教科書代、教材費、交通費などが必要
私立通信制高校(ネット型):年間約20〜50万円
・授業料は25万円程度(就学支援金で一部免除)
・システム利用料などが加算
私立通信制高校(通学型):年間約50〜100万円
・授業料+通学サポート費用
・コースによって変動が大きい
サポート校併用:年間約100〜150万円以上
・通信制高校の学費+サポート校の費用
・最も手厚いが高額
活用できる支援制度
①高等学校等就学支援金
・年収約910万円未満の世帯が対象
・私立通信制の場合、年間最大約30万円支給
・授業料から直接減額される
②高校生等奨学給付金
・低所得世帯向け
・教科書代などに充てられる
・返済不要
③自治体の独自支援
・自治体によって様々な支援制度がある
・「○○市 通信制高校 支援」で検索
④教育ローン
・日本政策金融公庫の教育ローン
・民間の教育ローン
・金利や条件を比較して検討
費用面で不安がある場合は、学校に相談してみましょう。分割払いや減免制度がある学校もあります。
必ず複数校を比較!見学時のチェックリスト
通信制高校は必ず3校以上を比較することをお勧めします。見学に行く際は、このチェックリストを使ってください。
□ 基本情報
・学費の総額(3年間でいくらかかるか)
・通学頻度の選択肢
・スクーリングの日数と場所
・卒業率(何%の生徒が3年で卒業しているか)
□ サポート体制
・カウンセラーは在籍しているか
・個別の学習計画は立ててくれるか
・保護者への連絡頻度はどのくらいか
□ 学習環境
・校舎の雰囲気は良いか
・学習スペースは十分か
・設備は整っているか
・オンライン学習システムは使いやすいか
□ 生徒・先生の様子
・生徒たちは楽しそうか
・先生の対応は丁寧か
・生徒と先生の距離感は適切か
・不登校経験者への理解はあるか
□ 進路サポート
・進路指導はどのように行うか
・進学実績・就職実績はどうか
・大学受験対策はあるか
・キャリア教育はあるか
□ その他
・部活動やイベントはあるか
・制服はあるか(自由か)
・昼食はどうするか
・アクセスは良いか
見学時に必ず質問すること
「不登校だったのですが、どのようなサポートがありますか?」
「学習の遅れがあるのですが、基礎から教えてもらえますか?」
「途中でコース変更はできますか?」
「実際に何%の生徒が3年で卒業していますか?」
「卒業生は今、どんな進路に進んでいますか?」
そして最も大切なのは、お子さん自身がどう感じるかです。
「ここなら通えそう」「この先生なら話せそう」とお子さんが感じられる学校が、最適な学校です。
明日はシリーズ最終回。今日から始められる具体的なアクションプランをお伝えします。進路決定に向けて、親子で一緒に前に進んでいきましょう。
今日は、お子さんと一緒に通信制高校のホームページをいくつか見てみてください。「この学校、どう思う?」と感想を聞いてみるだけでも、対話のきっかけになります。
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