欠席日数が多い…内申点が心配な中3生が今からできる挽回策

内申点と当日点のバランス - 実際の合否への影響度

「先生、うちの子、中学2年の時に体調を崩して欠席が多くて…内申点が低いんです。もう志望校は諦めた方がいいでしょうか?」

このご相談、本当に多いです。でも、諦めるのはまだ早いと声を大にしてお伝えしたいです。

まず、公立高校入試における内申点と当日点の配分を確認しましょう。

公立高校入試の配点(一般的なパターン 各自治体によって異なります):

内申点:135点満点(中1〜中3の9教科×5段階×3年間)

当日点:250点満点(5教科×50点)

合計:385点満点

この配分を見ると、当日点の方が圧倒的に大きいことがわかります。つまり、内申点が多少低くても、当日の試験で高得点を取れば十分に合格できるのです。

具体例で見てみましょう。

ケース1:内申点が平均的な生徒

内申点:95点、当日点:180点→合計275点

ケース2:内申点が低いが当日点が高い生徒

内申点:75点、当日点:200点→合計275点

このように、内申点で20点差があっても、当日点で挽回できれば同じ結果になるのです。

もちろん、学校によって内申点を重視する度合いは異なります。でも、多くの高校では「当日点重視」の傾向があります。これは、「中学時代の評価よりも、今の実力と将来の可能性を見たい」という高校側の考えがあるからです。


欠席理由の違いが与える印象(病気・不登校・その他)

欠席日数が多いと、確かに内申点には影響します。でも、欠席の「理由」によって、学校側の見方は変わってきます。

病気による欠席の場合

入院や長期療養など、やむを得ない理由での欠席は、それほどマイナスにはなりません。むしろ、「困難を乗り越えて受験に挑んでいる」という姿勢が評価されることもあります。

大切なのは、その事実を調査書や面接で適切に説明することです。

不登校による欠席の場合

最近は、不登校に対する理解が進んでいます。「不登校=問題児」という見方は古いものになりつつあります。

多くの高校が注目しているのは、「今、どうなのか」です。中2で不登校だったとしても、中3で登校できるようになり、受験に向けて頑張っている姿勢が見られれば、十分に評価されます。

家庭の事情による欠席の場合

家族の介護や経済的な理由でアルバイトをしなければならなかったなど、家庭の事情による欠席も、正直に伝えることで理解を得られる場合があります。

重要なのは、欠席があっても、今は前を向いて頑張っているという姿勢を示すことです。


面接で挽回できるポイント

内申点が低くても、面接で十分に挽回できます。高校側は、「数字だけでは見えない生徒の魅力」を知りたいと思っているからです。

面接で伝えるべきこと:

1. 成長のストーリー

「中2の時は不登校でしたが、中3になって○○というきっかけで変わることができました。今では毎日学校に通い、受験勉強も頑張っています」

このように、困難を乗り越えたストーリーは、強い印象を与えます。

2. 高校でやりたいこと

「貴校の○○部に入って活動したい」「将来△△になるために、貴校で□□を学びたい」

具体的な目標を持っていることを示しましょう。

3. 自分の長所と改善点

「私の長所は諦めないことです。勉強が苦手でしたが、毎日コツコツ続けることで少しずつ成績が上がりました。改善したい点は、計画的に物事を進める力です」

自己分析ができていることを示します。

調査書(担任の先生が書く部分)で良い評価をもらうために:

1. 担任の先生との関係を良好に保つ

12月以降、先生とのコミュニケーションを大切にしましょう。進路相談や日常の会話を通じて、自分の頑張りや成長を知ってもらいます。

2. 委員会活動や係活動を真面目に取り組む

3学期の学級委員や係活動に積極的に参加しましょう。「責任感がある」「協調性がある」という評価につながります。

3. ボランティア活動や部活動での実績

もし時間が許せば、地域のボランティア活動に参加したり、部活動で最後まで頑張る姿を見せたりすることも有効です。

4. 遅刻・早退を減らす

基本的なことですが、最後の3ヶ月は無遅刻・無早退を目指しましょう。


学校の先生との上手なコミュニケーション術

内申点や調査書は、中学校の先生が作成します。だからこそ、先生との良好な関係が大切です。

保護者としてできること:

1. 定期的に担任の先生と連絡を取る

面談の機会を活用して、子どもの様子を共有しましょう。

良い相談の例:

「先生、いつもお世話になっております。最近、家でも受験勉強を頑張っているのですが、学校ではどうでしょうか?何か気になることがあれば教えていただけますか?」

2. 子どもの成長を伝える

家庭での変化を先生に伝えることで、先生も子どもを多面的に見ることができます。

「最近、自分から勉強するようになりました」

「以前より前向きな発言が増えました」

3. 感謝の気持ちを伝える

先生も人間です。感謝の言葉は、良好な関係を築く上で大切です。

「いつも丁寧にご指導いただき、ありがとうございます」

子ども自身ができること:

1. 先生に質問に行く

授業でわからないことがあったら、恥ずかしがらずに質問に行きましょう。「学ぶ意欲がある」という印象を与えます。

2. 挨拶をきちんとする

朝の挨拶、帰りの挨拶。当たり前のことですが、これがきちんとできる生徒は評価されます。

3. 先生の話を真剣に聞く

授業中はもちろん、朝礼や学活での話も、真剣に聞く姿勢を見せましょう。

「欠席があっても合格した」実際のケース紹介

最後に、私の塾で実際にあった成功事例をご紹介します。

ケース1:中2で30日以上欠席したDさん

中学2年の時、家庭の事情で祖母の介護を手伝うために欠席が多くなりました。内申点は平均以下でしたが、「福祉の仕事に就きたい」という明確な目標を持ち、面接でその思いを熱く語りました。

当日の試験でも高得点を取り、第一志望校に合格。高校では福祉科に進み、今は介護士として働いています。

ポイント:欠席の理由を正直に伝え、その経験を将来の目標につなげた

ケース2:不登校を乗り越えたEくん

中1の途中から不登校になり、中2もほとんど登校できませんでした。しかし、中3になって「変わりたい」と決意し、適応指導教室に通いながら受験勉強を開始。

内申点は低かったものの、塾で3ヶ月間必死に勉強し、当日点で200点以上を獲得。通信制高校も視野に入れていましたが、本人の強い希望で全日制高校を受験し、見事合格しました。

ポイント:「今、頑張っている」姿勢を面接で示し、当日点で勝負した

ケース3:体調不良で欠席が多かったFさん

持病があり、中学3年間を通じて欠席が多めでした。しかし、登校できる日は一生懸命勉強し、家でも体調が良い時は自主学習を続けました。

面接では、「病気と向き合いながらも諦めずに頑張ってきた」ことを伝え、高校でも「自分のペースで成長したい」という思いを語りました。高校側も彼女の努力と意欲を認め、合格となりました。

ポイント:困難を乗り越えた経験そのものが、強みになった

これらのケースに共通しているのは、「過去は変えられないが、今と未来は変えられる」という姿勢を示したことです。

内申点が低くても、欠席が多くても、今からできることはたくさんあります。そして、その頑張りは必ず誰かが見ていてくれます。

明日は、全日制高校と通信制高校の選択についてお話しします。「全日制は無理かもしれない」と考えている方にこそ、読んでいただきたい内容です。

今夜、お子さんと一緒に「これからの3ヶ月、何ができるか」を話し合ってみませんか?過去を悔やむのではなく、未来に向けて一歩を踏み出す会話をしてみてください。


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