残り3ヶ月で親子ができること - 焦らず、諦めず、前に進むための具体的ステップ
今週末から始められる学習計画の立て方
5日間のシリーズも、今日が最終日です。ここまで読んでくださった保護者の皆さんは、きっと「じゃあ、具体的に何をすればいいの?」と思っていることでしょう。
今日は、今週末から実践できる具体的なアクションプランをお伝えします。
まず、学習計画の立て方です。3ヶ月という限られた時間を最大限に活かすために、戦略的な計画が必要です。
ステップ1:現状を正確に把握する(30分)
まず、お子さんと一緒に以下を確認しましょう。
□ 最新の模試の結果を科目別に見る
□ 各科目で「取れている分野」と「取れていない分野」を書き出す
□ 志望校の合格ラインと現在の点数の差を確認する
例えば:
現在の点数:150点
志望校の合格ライン:180点
必要な点数アップ:30点
ステップ2:優先順位をつける(20分)
5教科全てを完璧にしようとすると、時間が足りません。戦略的に「どの科目で何点取るか」を決めます。
◎優先順位の基本的な考え方:
優先度A:短期間で点数が上がりやすい科目
理科・社会(暗記中心)
数学の計算問題
英語の単語・熟語
優先度B:基礎固めが必要な科目
数学の文章題
英語の長文読解
国語の読解問題
優先度C:時間がかかる割に効果が出にくい分野
難問・応用問題
新しい単元の学習
具体例:
理科で+10点(暗記分野を重点的に)
社会で+10点(歴史・地理の基本用語)
数学で+5点(計算問題の精度向上)
英語で+3点(基本単語・文法の定着)
国語で+2点(漢字・古文の基礎)
合計:+30点
ステップ3:週間スケジュールを作る(30分)
月曜日から日曜日まで、1週間の学習スケジュールを作ります。
ポイント:
・無理のない計画にする(1日2〜3時間が目安)
・必ず「休憩時間」と「自由時間」を入れる
・同じ科目を続けすぎない(飽きるため)
・苦手科目は朝の時間帯に(頭が冴えている時に)
サンプルスケジュール(平日):
放課後:塾の授業(1〜2時間)
18:00-19:00:夕食・休憩
19:00-20:00:理科の暗記(一問一答形式)
20:00-20:15:休憩
20:15-21:15:数学の問題演習
21:15-21:30:明日の計画確認・準備
サンプルスケジュール(休日):
9:00-10:00:社会の暗記
10:00-10:15:休憩
10:15-11:15:数学の復習
11:15-12:00:英語の単語暗記
12:00-13:00:昼食・休憩
13:00-14:00:理科の問題演習
14:00-15:00:自由時間
15:00-16:00:塾の課題
16:00-:自由時間
1日30分でも効果が出る「優先科目」の選び方
「先生、うちの子、部活の朝練もあって、なかなか勉強時間が取れないんです…」
そんな時は、「短時間でも効果が出る科目」に絞りましょう。
30分しか時間が取れない日の学習メニュー:
パターン1:理科の暗記(30分)
一問一答形式の問題集を使って、以下の分野を集中的に:
・化学式・化学反応式
・生物の分類・器官の名称
・地学の基本用語
・物理の公式
パターン2:社会の暗記(30分)
重要用語を100個選んで、毎日10個ずつ復習:
・歴史の年代・人物・事件
・地理の国名・都市名・地形
・公民の基本用語
パターン3:英語の単語(30分)
入試頻出単語300個をリストアップし、毎日30個復習:
・単語カードを使う
・発音しながら書く
・例文とセットで覚える
パターン4:数学の計算問題(30分)
基本的な計算問題を10問解く:
・正負の数、文字式
・方程式、連立方程式
・平方根、因数分解
これらの科目は、「積み重ね」が効果を生みます。毎日30分でも続けることで、確実に点数が上がります。
子どもの不安を軽減する親の声かけ実例集
この時期、お子さんは大きな不安を抱えています。親の声かけ一つで、その不安が軽くなることもあれば、逆に重くなることもあります。
効果的な声かけの実例:
シーン1:模試の結果が悪かった時
❌「また下がったの?このままじゃ不合格よ」
⭕「今回は難しかったみたいだね。でも、間違えた問題が分かったのは収穫だよ。次はここを重点的にやろう」
シーン2:勉強に集中できていない時
❌「遊んでないでちゃんと勉強しなさい!」
⭕「少し疲れてるみたいだね。10分だけ休憩してから、一緒に計画を立て直そうか」
シーン3:「無理かもしれない」と弱音を吐いた時
❌「そんな弱音を吐いてたら、本当に無理になるわよ」
⭕「不安になるのは当然だよ。でもね、お母さんはあなたが毎日頑張っているのを見てるから、絶対に成長してると思うよ」
シーン4:夜遅くまで勉強している時
❌「もうそんな時間?早く寝なさい」
⭕「頑張ってるね。でも、体が一番大事だから、今日はこの辺でお休みにして、明日また頑張ろう」
シーン5:友達と自分を比較して落ち込んでいる時
❌「○○さんと比べても仕方ないでしょ」
⭕「みんなそれぞれペースが違うからね。あなたはあなたのペースで、少しずつ前に進んでるよ」
日常的に使いたい励ましの言葉:
「今日も頑張ったね」(結果ではなく、努力を認める)
「よく続けてるね」(継続を評価する)
「お母さん(お父さん)は、あなたを応援してるよ」(無条件の支持を伝える)
「一緒に頑張ろうね」(親も伴走者であることを示す)
「何か困ったことがあったら、いつでも話してね」(安心感を与える)
絶対に避けるべき言葉:
「もう間に合わない」(希望を奪う言葉)
「お金をかけてるんだから」(プレッシャーをかける言葉)
「落ちたらどうするの?」(不安を煽る言葉)
「○○さんの子は…」(比較する言葉)
「本当にやる気あるの?」(疑う言葉)
面談で先生に確認すべき5つの質問
12月は、学校でも塾でも面談の時期です。この機会を最大限に活用しましょう。
質問1:「今の実力と志望校のギャップについて、率直にどう思われますか?」
先生の本音を聞くことが大切です。「厳しい」と言われても、その理由と、「何をすれば可能性が上がるか」を具体的に聞きましょう。
質問2:「残り3ヶ月で、最も優先すべき学習内容は何でしょうか?」
プロの目から見た、効率的な学習計画のアドバイスをもらいます。
質問3:「家庭でできるサポートはありますか?」
親としてできることを具体的に聞きます。「見守る」のか「積極的に関わる」のか、方針を確認しましょう。
質問4:「通信制高校も視野に入れた方が良いでしょうか?」
率直に聞いてみることも大切です。先生の経験から、適切なアドバイスがもらえるかもしれません。
質問5:「この時期、精神面で注意すべきことはありますか?」
学習面だけでなく、メンタル面のアドバイスも重要です。
面談での心構え:
・感情的にならない(冷静に聞く)
・メモを取る(後で家族で共有するため)
・具体的な質問をする(抽象的な質問は避ける)
・先生の意見を尊重する(ただし、最終判断は家庭で)
家庭でできるメンタルサポート
受験は、学力だけでなく、メンタルの勝負でもあります。家庭は「安心できる場所」であることが何より大切です。
サポート1:規則正しい生活リズムを保つ
・7〜8時間の睡眠を確保する
・3食きちんと食べる
・適度な運動をする(散歩だけでもOK)
サポート2:栄養バランスの良い食事を用意する
・脳のエネルギー源となる食べ物:
・ご飯、パン(炭水化物)
・魚、肉、卵、大豆製品(タンパク質)
・野菜、果物(ビタミン・ミネラル)
・ナッツ類(良質な脂質)
夜食の定番:
・おにぎり
・うどん
・スープ
・ホットミルク
サポート3:リラックスできる時間を作る
・お風呂にゆっくり入る
・好きな音楽を聴く
・ペットと遊ぶ
・家族と他愛のない会話をする
サポート4:プレッシャーをかけすぎない
・「勉強しなさい」を連発しない
・成績の話ばかりしない
・「普通の親子の会話」を大切にする
サポート5:小さな成長を見つけて褒める
「今日も机に向かってたね」
「最近、早起きできるようになったね」
「問題集、ずいぶん進んだね」
小さなことでも、認めてもらえることが、子どもの自信につながります。
注意すべきサイン(保護者が気づくべきこと):
以下のサインが見られたら、要注意です。すぐに学校や塾の先生、場合によっては専門家に相談しましょう。
・食欲が極端に落ちる、または増える
・睡眠時間が極端に短い、または長い
・笑顔がなくなる
・イライラが激しくなる
・自分を責める言葉が増える(「自分はダメだ」など)
・勉強どころか、日常生活にも支障が出る
これらは、単なる「受験のストレス」を超えている可能性があります。無理をさせず、専門家の力を借りることも大切です。
受験当日まで親子で歩む道のり - 長期的視点を持つ大切さ
5日間のシリーズの最後に、最も大切なメッセージをお伝えします。
受験は、ゴールではなく、通過点です。
合格しても、不合格でも、人生は続きます。そして、どちらの道を歩んでも、お子さんは成長し、幸せになることができます。
12月のメッセージ:「今できることに集中しよう」
過去は変えられません。未来を心配しすぎても仕方ありません。今日できること、今週できることに集中しましょう。
1月のメッセージ:「積み重ねが実を結ぶ時」
この時期、今までの努力が形になってきます。小さな成長を見逃さず、認めてあげましょう。
2月のメッセージ:「最後まで諦めない」
受験直前は不安も大きくなります。でも、最後の最後まで、できることがあります。
3月のメッセージ:「どんな結果でも、次のステップへ」
合格したら、素直に喜びましょう。不合格だったら、次の選択肢を考えましょう。どちらも、お子さんの人生にとって意味のある経験です。
親としての心構え:
◎結果よりもプロセスを大切にする
「合格」という結果も嬉しいですが、そこに至るまでの努力、成長こそが宝物です。
◎無条件の愛を伝える
「合格したから愛してる」のではなく、「あなたがいるから嬉しい」というメッセージを伝えましょう。
◎長期的な視点を持つ
15年後、20年後のお子さんを想像してみてください。受験の結果は、その一つのエピソードに過ぎません。
◎親自身も成長する機会と捉える
子どもの受験は、親にとっても成長の機会です。子どもとの向き合い方、自分自身の価値観を見つめ直す時間になります。
◎どんな結果でも、家族は一緒
合格しても、不合格でも、家族の絆は変わりません。いつでも、お子さんの味方でいてあげてください。
最後に
25年間、教員として数多くの受験生と家族を見てきました。その中で学んだ最も大切なことは、
「親子が共に歩むこと」
受験は、子ども一人が戦うものではありません。親が見守り、時に支え、一緒に喜び、一緒に悩む。そのプロセスこそが、何より価値があるのです。
残り3ヶ月。焦らず、諦めず、一歩ずつ前に進んでください。
お子さんと一緒に過ごせるこの時間を、大切にしてください。たとえ今は大変でも、いつか振り返った時、「あの時、家族で頑張ったね」と笑える日が必ず来ます。
皆さんの受験が、素晴らしい経験になることを、心から願っています。
そして、困った時はいつでもご相談ください。塾は、地域の子どもたちと家族を支える場所です。一緒に、お子さんの未来を考えさせていただきます。
頑張るお子さんと、支える保護者の皆さんを、心から応援しています。
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